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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第6回  人材から人財へのマネジメント戦略の本質

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マネジメント戦略の本質とは何か

 どのような人材、人在、人罪であっても、人財に引き上げるための仕組みがマネジメント戦略になければなりません。確かに、採用においては、少なくとも企業の価値観に合っている人を選ぶことが重要となります。

 もしかすると、現在いる社員では「時、すでに遅し」かもしれません。
 また、近年のグローバル化の急速な拡大により、全て海外の拠点を見渡すことが困難になっていたり、M&Aによってある日突然、文化も制度も言葉も価値観も違った仲間が大勢増えることも珍しくありません。

 こうなると、常に理想的な社員を選んで、配置できるとは限りません。
 グローバル経営やグループ経営の加速化も考えると、むしろ理想的な状態で理想的な社員を採用する方が限定的かもしれません。

 人財マネジメントにおけるマネジメント戦略の本質は、マトリックスの2、3、4の状態の社員でも、企業の価値観に共鳴し、共感し、高い成果を出してもらえるようにマネジメントし、人財の1へと引き上げることにあります。
 また、1の人財も常に高い成果が出し続けられる環境を維持しながら、同時に、他の企業に引き抜かれないようなマネジメントを行います。
 すなわち、1の人財に引き上げ、引き上げても戻らせないマネジメントが求められているのです。

 たとえば、普通の人を採用する場合は、2の人です。パフォーマンスの高い人を採用する場合は、1に限ります。採用で選べるのであれば、企業の価値観に合った人を優先させます。
 活用の場合では、1にいる人財でも人財マネジメントをしないでそのままにしていると、やがて3や2になることもあります。
 それを防ぐために、エンゲージメント(いわゆる帰属意識や良い意味の愛社精神)と言うマネジメント手法を取り入れています。燃えつき症候群になることもあるので、目的意識を高めるマネジメントも行います。退職することもあるため、リテンション(定着)マネジメントや1の人しか受けられない教育研修制度などといった総合的で統合的なマネジメントの仕組みが人財マネジメントには必要となります。

 人財マネジメントでは、採用で1に入る求める人物が確保できたからと言っても、すぐに高い成果を要求したまま、本人任せにすることはありません。
 前職で高いパフォーマンスがあったからといって、転職後も同じような高いパフォーマンスが出るとは限らないからです。
 そのため、ビジネスコーチングやメンターをつけて、高いパフォーマンスを出してもらうための支援や工夫をします。必要に応じた教育訓練を実施し、社内のコミュニティを紹介し、着任のワークショップなどを行い、素早く組織にもメンバーにも馴染むことができるようなプログラムを用意しています。
 これは採用においても配置においても、さらには教育研修においても、社員が高いパフォーマンスを発揮し続けられるようなマネジメント戦略を持っています。

 人財マネジメントは、長期的雇用はありますが年功序列はありません。
 成果や実力に応じた評価制度と報酬制度があります。また、本人の強みやチャレンジしたいこと、適材適所に応じたパフォーマンスが発揮しやすい環境での配置が基本となります。
 パフォーマンスを引き出すための研修と、価値観の共感が得られるための教育が用意されているのです。

 次回は、タレントマネジメント戦略の本質を理解していきます。

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プロフィール

戦略人財コンサルタント代表 社会保険労務士 鬼本 昌樹 氏

戦略人財コンサルタント代表 社会保険労務士 鬼本 昌樹 氏

25年以上のIT、人事、経営の現場経験を通して独立。
オラクル、GEキャピタル、商社、大手通販などの米国企業、日本企業で人材開発部長、人事部長、役員、副社長を経験し、変革のリーダーとして、組織改革、制度改革、意識改革、人事部変革に貢献し、ベストマネジメント・アワードなどを受賞する。

現在、人事コンサルタントとして、
・タレントマネジメント
・パフォーマンスマネジメント
・デベロップメントマネジメント
を強みとする。
さらに、米国で、行動心理学をマスターし、人が動く仕組み作り、マネジメント作り、そして、人作りに貢献している。日本企業、外資系企業、業界、規模を問わず、幅広くコンサルティング活動を行っている。

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