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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第6回  人材から人財へのマネジメント戦略の本質

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パフォーマンス VS 価値観

 今や、フォーチュン100社の優良な欧米企業には、パフォーマンスだけを期待した以前のような採用はありません。

 まず、「求める人財像」にマッチした人を採用します。
 そのため、経営戦略の実現だけでなく、企業の成長戦略にも貢献してくれる人財であるかどうかを見極めます。採用したい部門だけの視点だけでなく、全社的な視点も含めて雇用の決定をしています。これまでは、職務定義書で定義された人材を採用していましたが、今は職務定義書も使いますが、絶対条件ではありません。
 適性や将来性、価値観なども十分に考慮して採用をしているからです。採用時は確かにニーズのある部門に配置するかもしれませんが、キャリアパスで異動が行われる可能性もあるため、統合的に検討しながら採用をします。絶対条件はパフォーマンスより価値観にあるようです。

 パフォーマンスが低い人に対しては、パフォーマンスを高める仕組みがあります。
 企業で教育研修やパフォーマンスを高めるための仕組みを用意しています。最も有名な手法が、コンピテンシーではないでしょうか。
 コンピテンシーとは、社内の高パフォーマーの行動特性を調査、分析し、全社的に展開する方法です。さらに、ビジネスコーチやメンターによる支援を通して、平凡な社員でも高いパフォーマンスが発揮できて、企業価値を高める成果を出すことができるように支援をしています。
 しかし、価値観を変えるとなると、教育研修やビジネスコーチやメンターでは簡単に変えることは困難です。時間も手間もかかります。そのため、価値観の見極めを大切にしています。

 次の図1のパフォーマンスと価値観のマトリックスを見てください。

 著者が経営者の方からお話を聞かせて戴くとき、図1のフレームワークを使って質問をさせて戴くことがあります。
 「御社では、パフォーマンスと価値観の4つのタイプの社員がいるとしたら、最も評価する順番から教えて戴けませんか」とお願し、図1のシートに数字を記載していただきます。
 多くの経営者は、右上が1、右下が2、左上が3、左下が4です。
パフォーマンス VS 価値観

 そこで、さらに「実際の人事評価制度でも、同じ順番で評価をされていますか」と尋ねてみると、「2と3が逆ですかね」とおっしゃいます。理由は、やはり高いパフォーマンス出す社員の方に評価をしてしまうようです。
 つまり、1と4は問題ないのですが、問題なのは、2と3です。思いの2は、実態では3であったり、4であったりしています。

 著者が就業したGE社では、図2のパフォーマンスと価値観のマトリックスによる人材の分類のように、2と3の理由付けがありました。
 
 「第1回 タレントマネジメントは必要か」でも解説したレッテルの話を敢えてしてみると、1が人財、2が人材、3が人罪、そして、4が人在です。
 3の社員は、パフォーマンスが高いため、もし管理者であれば、部下からも尊敬されているかもしれません。パフォーマンスが出せない部下からは「すごい人だ」と思われかもしれません。この社員の影響力は高いので、やがて退職するとき「ここにいつまでいても評価されないよ」と、部下も引き連れて辞めていくこともあり得ます。
 そもそも価値観が違うために、企業で末永く貢献する人かどうかは疑問です。

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