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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第6回  人材から人財へのマネジメント戦略の本質

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 前回は、人事部に求められている新たな役割として、戦略的なビジネス・パートナーの意味と意義について理解をしました。経営戦略と組織マネジメント、社員を支援する戦略的組織を超えた、戦略的なビジネス・パートナーとしての人事部が求められています。
 この視点には、“現在”だけでなく、“将来”も求められていることに気づいたと思います。

 このように、人事部への役割が大きく変わってきており、それは社員のマネジメントにも大きく影響を与えています。

 人材と人財の言葉の違いについては、すでに「第1回 タレントマネジメントは必要か」で説明をしました。今回は、その意味や内容、本質について理解をしていきます。

 さて、Human Capital(人財)を初めて使った人物が英国のA.W.Lewisで、彼の著書「Economic Development with Unlimited Supplies of Labor, 1954」の中で紹介されました。
 彼は、人財とは組織の成果を出すことができ、非常に高い生産性を発揮することができる人として紹介しています。一方、人材は、大量生産時代の単純労働者であり、上から言われたことを言われたとおりに行い、言われたものを出す人として紹介しています。
 人財という言葉が徐々に使われ始めたのは、1990年後半からで、特に英国・米国から再び使われるようになりました。

人財マネジメントとは何か

 人材と人財の大きな違いは、社員を資本のように“将来”に渡って、長期的な視点から活躍してもらう仕組みがあるかどうかです。
 “現在”において、そして、“将来”においても、資産としての価値、投資をするだけの価値がある社員を、戦略的にマネジメントすることを人財マネジメントと言っています。

 日本企業には、もともと長期的な視点の雇用、終身雇用がありました。現在もなお健在の企業も少なくありません。定年までの長期雇用のある終身雇用は、日本企業の独特の特徴だと思います。欧米企業も日本がバブル後にマネをしたことがありましたが、どこも長続きはしていません。欧米の企業には、長期的な視点を持った仕組みは、最近まではありませんでした。
 ただ、長期的な視点の雇用、終身雇用の仕組みがあれば人財マネジメントといえるかと言えば、そうではありません。

 社員を長期にわたって組織の中で活躍してもらい、貢献してもらうためには、入社から退職までのプロセスと機能を、長期的視点から見直してマネジメントできる仕組みが必要です。

 人材マネジメントでは、すぐに必要な人材に注目した短期的なニーズ優先の採用を行います。
 “今の求めるニーズ”に人材がマッチしているかが重要で最優先となります。
 しかもパフォーマンス重点主義で、採用決定権も採用したい部門の責任者にあります。人事が採用予算を持ち、発言権も強く、採用基準が明文化されていたとしても、現場の責任者次第で採用が決まる、と言うのが実態で、パフォーマンス重視であることから、採用後は本人任せ。「何かあれば、聞いてくださいね」ぐらいの支援がせいぜいです。

 かつての欧米企業の採用ではこのような方法が主流で、高い手数料をかけて即戦力を採用し、それに見合ったパフォーマンスを期待してマネジメントをしてきました。

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