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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第12回  タレントマネジメントの実現 後編

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情報の可視化

 タレントマネジメントのシステムにおいて情報の可視化は当たり前の機能です。何を可視化するか、という問題は慎重に検討しなければいけません。なんでも可視化するとカスタマイズが発生することがあります。まず、経営者や現場の管理職の立場に応じた可視化が必要となります。
 デザイン性は重要です。各種の統計グラフ、たとえば、棒グラフやレーダーチャート、ブロッキングチャットなどは可視化での効果は非常に高いでしょう。また、表形式も有効です。色分けや表示順などの工夫が求められます。場合によっては、従業員の写真も補助的にあれば、経営陣や管理職は「名前は覚えていないが、顔なら分かる」と言いつつ利用価値を高めることもよくあります。

 著者が良く使う機能として“9ブロック”があります。GEでは標準のツールで、著者も頻繁に使っています。タレントマネジメント製品にこの機能が必須だと思います。たとえば、ある事業部にどのような人財がいるのかをデータで確認するだけでなく、可視化で確認しておきたいことがあります。下の図は、「企業の価値観に合っている人で、パフォーマンスが高い人がどの程度いるのか」、また、その逆の「価値観が合っていない人で、パフォーマンスの低い人はどの程度いるのか」をこまかなデータではなく、全体的なマップで確認したいときに使います。プロッティングのドットで青が男性、赤が女性です。気になる場所のドットにマウスを当てると、その人の顔写真が出てきます。さらに、クリックすると従業員情報が出てくる、という仕組みです。

(注)上記のパフォーマンスのデータは、「目標管理」のデータを使用し、価値観のデータは、ESP診断など外部の適性診断結果をExcelなどで取り込んで「社員管理」のデータとして使用、性別のデータも、「社員管理」のデータを使用した結果です。「目標管理」、「社員管理」の機能名は、次節の図の機能の一部として表記しています。
情報の可視化

情報の分析

 人事部が戦略的ビジネスパートナーとなって、人財活用を最大限に実施するためには、従業員の情報を分析し、その結果を適切なタイミングで経営陣や現場管理職へ提示、提案することが求められます。たとえば、年齢別・性別分析という初歩的な分析から、能力の棚卸による育成分析、次期後任者分析、新規事業適任者分析などに至る各種の分析があります。
 例えば、ある事業部の従業員の棚卸において“9ブロック”分析から、パフォーマンスは非常に高いが企業価値観に合わない人財が10名いること、これらの従業員を、今後どのように活躍してもらうのかなどの対応策を、管理職へ報告、提案することがあります。
 これらの機能は、著者が人事部長を務めていたとき、戦略的人事部として必要なツールの一部として活用していたものです。経験と実践的な仕組みを具現化させるために、タレントマネジメント製品の機能強化に協働してきました。その製品が、ワン・オー・ワン社のスキルナビです。
 人事部が戦略的ビジネスパートナーとなって、全社、全グループでタレントマネジメントを執行するためには、IT技術が必須です。人事制度と直結した製品であり、従業員の個別情報を管理し、そこから情報分析を行います。さらに、情報の可視化によって、課題解決の提案をより経営陣や現場の管理職の理解を促進させることができます。このような一連の有機的な流れとそれを助ける製品機能が必要となります。従業員一人ひとりがセルフサービスの仕組みを使って、登録し、更新し、確認することも必要な機能となります。研修履歴やキャリア履歴の確認、さらに、キャリアパスといった将来に向けての計画も管理できる機能があれば、人事部はこれらの情報をさまざまな側面から分析することができます。
 下記の図は、ワン・オー・ワン社の製品の機能です。
情報の分析

 さて、製品構築において、製品の情報管理、社員管理を登録するうえで重要な課題が2点ほどあります。まず、情報の一元化です。次に情報の標準化です。
 この二つはタレントマネジメントを構築する上で最後の壁となります。ここでは、この壁を乗り越えることができなかった失敗の要素について敢えて解説をしてきます。

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