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社員の強みを活かすタレントマネジメントの本質

第12回  タレントマネジメントの実現 後編

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 前回の「タレントマネジメントの実現 前編」では、タレントマネジメント製品を見る前に、まず、タレントマネジメントを通して何をするかを明確にしておくこと、そして、必要な事前準備をしておくことを説明しました。特に、製品選定とベンダー選定は非常に重要な要素が数多く含まれており、手順も含めて説明をしました。この手順は実践的で経験に基づいています。そのため、この手順で進めることによりタレントマネジメントの導入を成功させることが可能となります。

 今回のテーマは、タレントマネジメントの実現の後編で最終回になります。製品の構築方法について解説をしていきます。

 タレントマネジメントのシステムを使うユーザーには、3種類あることは理解していることと思います。これを製品で具現化しなければなりません。
 まず、(1)経営の視点、次に(2)現場マネージャの視点、最後に、(3)個人の視点となります。

(1)経営の視点
 経営戦略、中長期的な成長戦略を実現するための経営資源である「ひと」に関する意思決定の精度を向上させるために、“全社人材ポートフォリオ”、“組織統合判断判定ビュー”、“新規事業能力ポテンシャル判断ビュー”、“適材適所の配置計画ビュー”などの定性・定量情報が必要となります。ビューとは、ITのデータベースに蓄積されている情報を検索し加工させて見せる仕組みを言います。

(2)現場マネージャの視点
 組織計画に基づいて、従業員の特性や強みを活かした仕事の割り当て、育成、人事評価などにおいて、これまでの経験や勘に頼らないマネジメントを実現させます。そのためには、“部門・職位・等級を軸としたビュー”、“職務・職能を軸としたビュー”、“パフォーマンスと価値観を軸としたビュー”などの定性・定量情報が必要となります。

(3)個人の視点
 可視化によるモチベーション向上を狙います。自身のキャリアパスの計画や育成、目標、評価などの軸で計画を立てる、確認する、評価する、改善するなどが個人別のビュー、たとえば、 “キャリアパス設定”、“キャリアパスとのギャップビュー”、“希望職種と現状能力ギャップのビュー”、“他者評価とのギャップビュー”、“高評価者とのキャップビュー”などの定量・定性情報などが必要となります。以下の図は、上記の3種類の利用者に応じたデータベースの登録内容から各ビューの定義をイメージしたものになります。

 人事の視点は、これらの全てを含む機能、「戦略」、「評価」、「育成」の各機能が必要です。さらに、情報管理、情報の可視化、情報の分析が最低機能として必要となります。

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