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女性が管理職になりたがらないほんとうの理由

第1回  「女性は意識が低い」は本当か

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■女性活躍後進国の日本

 社会で女性がどれほど活躍しているかを測る指標の代表的なものは、管理職に占める女性比率です。そしておそらく想像に難くないと思いますが、日本はこの数値が非常に低いです。例えば厚生労働省の「雇用均等基本調査」では、課長相当職以上の管理職全体に占める女性の割合は6.6%(2013年)、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」 では従業員規模が1000人以上の企業で6.8%、500~999人規模で10.1%という数字が出ています。また帝国データバンクが実施した「女性登用に対する企業の意識調査」では、課長以上の管理職に女性が全くいないと回答した企業が50.9%となっています。
 海外諸国と比較しても、日本は就業者に占める女性比率が決して低くないにも関わらず、管理職に占める女性比率はフィリピン、アメリカ、フランスなどと比較して著しく低くなっています(図1)。世界経済フォーラムが発表している各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数 においても、2014年の日本の順位は142か国中104位という極めて低いスコアであり、特に政治と経済への関与が低水準となっています。

■実は、女性の就労意欲は出産後に高くなる
では、なぜこのような状況が生まれるのでしょうか。冒頭の言葉にある通り、「女性の意識が低い」が理由なのでしょうか? ママ友のように、出産後のほうが就業意欲は高まったという人は稀なのでしょうか。
実は意外なことに、女性の就業意欲は出産「前」よりも出産「後」の方が高いことをデータが示しています。厚生労働省「第1回21世紀成年者縦断調査の概況」では、有職・有配偶者で出産の意思がある20~34歳の女性の就業継続意欲を出産の前後で比較すると、図2のように出産後の方が就業意欲は強くなっているということが分かります。つまり、出産そのものは女性の就労意欲の低下の原因ではないのです。

このコラムでは、女性個人の就業意欲は高まっているにも関わらず、なぜそれが女性の活躍という結果につながっていないのかについて解説していきます。

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プロフィール

静岡県立大学/ワークシフト研究所<Br> 国保 祥子 氏

静岡県立大学/ワークシフト研究所
国保 祥子 氏

経営学博士。静岡県立大学経営情報学部講師、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科非常勤講師。外資系IT企業での業務変革コンサルティング経験を経て、慶應ビジネススクールでMBAおよび博士号を取得。エーザイ株式会社、JA全中、静岡県庁、石川県庁、インキュベーションオフィス等の経営人材育成プログラムの開発および導入に従事。Learning Communityを使った意識変革や行動変容を得意分野とする。2011年から地域の社会人と学生が共に地域の課題を検討する「フューチャーセンター」を、2014年から育児休業期間をマネジメント能力開発の機会にする「育休プチMBA勉強会」を運営している(事務局 ikukyumba@gmail.com)。1歳児の母。

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