日本語の構造に要注意
このように、言葉が潜在意識に働きかけ、人間の行動や状態を左右するという現象は世界共通ではありますが、日本語は重要なポイントを語尾で決めるという特徴のある言語であり、日本人にとっては注意したい点があります。
私は明日会社に行き( )。
この一文の( )内には、「ます」「ません」「たいです」など、まったく意味の異なる語尾が入ります。最後までしっかり聞かなければ、この人が何をしたいのかが分かりません。
さらに厄介なことには、人間の記憶とは曖昧なもので、前半の「会社に行き」は記憶に残るものの、後半部分を聞き落としたり、忘れたりしがちなのです。英語の場合は逆に、
I’ll go to the office tomorrow. (会社に行きます)
I’ll not go to the office tomorrow. (会社に行きません)
このように、話のポイントが冒頭で分かる仕組みになっています。
したがって、前述の例で考えると、日本語では「高めに手を」「転ぶ」「ミスを」の部分が記憶に残りやすく、後で否定したり反対のことをするように指示を出しても、身体は高めに手を出すよう反射的に動き、お母さんの意図とは逆に転んでしまい、部下は思わず計算ミスをする、という事態を引き起こす可能性が英語と比較して高いのです。
このように「ミスをするな」というネガティブな表現は、「ミス」というネガティブな部分が相手の記憶に残り、ミスをするように潜在意識が行動・言動を誘導してしまうので、「ミスをしろ」と言っているのに等しいといえます。
私は明日会社に行き( )。
この一文の( )内には、「ます」「ません」「たいです」など、まったく意味の異なる語尾が入ります。最後までしっかり聞かなければ、この人が何をしたいのかが分かりません。
さらに厄介なことには、人間の記憶とは曖昧なもので、前半の「会社に行き」は記憶に残るものの、後半部分を聞き落としたり、忘れたりしがちなのです。英語の場合は逆に、
I’ll go to the office tomorrow. (会社に行きます)
I’ll not go to the office tomorrow. (会社に行きません)
このように、話のポイントが冒頭で分かる仕組みになっています。
したがって、前述の例で考えると、日本語では「高めに手を」「転ぶ」「ミスを」の部分が記憶に残りやすく、後で否定したり反対のことをするように指示を出しても、身体は高めに手を出すよう反射的に動き、お母さんの意図とは逆に転んでしまい、部下は思わず計算ミスをする、という事態を引き起こす可能性が英語と比較して高いのです。
このように「ミスをするな」というネガティブな表現は、「ミス」というネガティブな部分が相手の記憶に残り、ミスをするように潜在意識が行動・言動を誘導してしまうので、「ミスをしろ」と言っているのに等しいといえます。
1日に7万語を思いつく脳
これではうかつに部下に注意をうながしたり、指導できないと思われるかも知れませんが、逆に考えればよいのです。すなわち、ネガティブな言葉がネガティブな結果を招くように、ポジティブな言葉はポジティブな結果を招くのです。
したがって、前述の例では「低めに的を絞ろう」「ゆっくり歩きなさい」「確認しながら計算しよう」とポジティブに発想し、ポジティブな言葉で指示を出せば、相手は望ましい方向へ動き、成功する確率が高まります。
さて、一説によると人間が一日に発想する言葉は7万語に及ぶそうです。この膨大な量の言葉が、潜在意識の中でポジティブに働くのか、ネガティブに働くのかを考えると、普段からポジティブな発想と言葉がけを心掛けている管理職は、おそらく部下への指示もポジティブであり、部下も成果に向かって動きやすいであろうことが想像できます。
個人の問題としても「できる」「いいね」といったポジティブな言葉に彩られた人生と、「どうせダメ」「私なんか」といったネガティブな言葉に浸った人生とでは、おそらく終焉を迎えた時の幸福感や満足感は大きく違うでしょう。
次回からは、仮にネガティブな発想に陥りそうなときに、ポジティブに発想したり、相手が前向きに動けるような言葉がけするためのトレーニング法や、組織の中での仕組み作りについて述べていきます。
したがって、前述の例では「低めに的を絞ろう」「ゆっくり歩きなさい」「確認しながら計算しよう」とポジティブに発想し、ポジティブな言葉で指示を出せば、相手は望ましい方向へ動き、成功する確率が高まります。
さて、一説によると人間が一日に発想する言葉は7万語に及ぶそうです。この膨大な量の言葉が、潜在意識の中でポジティブに働くのか、ネガティブに働くのかを考えると、普段からポジティブな発想と言葉がけを心掛けている管理職は、おそらく部下への指示もポジティブであり、部下も成果に向かって動きやすいであろうことが想像できます。
個人の問題としても「できる」「いいね」といったポジティブな言葉に彩られた人生と、「どうせダメ」「私なんか」といったネガティブな言葉に浸った人生とでは、おそらく終焉を迎えた時の幸福感や満足感は大きく違うでしょう。
次回からは、仮にネガティブな発想に陥りそうなときに、ポジティブに発想したり、相手が前向きに動けるような言葉がけするためのトレーニング法や、組織の中での仕組み作りについて述べていきます。
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