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経営者として知っておくべき労働法

第5回  労働保険、社会保険の仕組み(労働保険編)

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雇用保険のメインは失業給付

 雇用保険は、失業した場合に生活の安定を守り、再就職の援助を行うものです。また、定年後の再雇用などにより、賃金が低くなっても退職せずに働き続けられるように援助したり、働く能力を伸ばすための支援なども行っています。

 労災保険と同様に、原則として1人でも労働者を使用している場合は、雇用保険の適用事業となります。
 雇用保険が適用される事業所に雇用され、週所定労働時間が20時間以上あり、かつ31日以上雇用の見込みがある労働者は、本人の意思にかかわらず被保険者になります。

 保険料は、一般事業の場合で1.35%で、このうち使用者負担分は0.85%、被保険者負担分は0.5%です。

 雇用保険法の目的は失業者の生活安定です。これ以外にも就職促進、失業予防など雇用保険制度の事業内容は多様ですが、主となるのはやはり基本手当(いわゆる失業給付)です。

 基本手当は、被保険者が失業した場合に、離職日以前の2年間に被保険者であった期間(賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある期間を1か月として計算する)が通算12ヶ月以上ある時に支給を受けることができます(雇用保険法13~14条)。
 ただし、倒産、解雇等による離職者は、離職日以前1年間に被保険者期間が6ヶ月あれば、基本手当を受給できます。

事業主へは各種助成金がある

 雇用保険では、被保険者への給付だけでなく、雇用安定事業と能力開発事業として、キャリアアップ助成金やキャリア形成促進助成金など、事業主等に対して支給される各種助成金制度があります。
 つい先日も、雇用の安定・拡大を図るためとし補正予算が組まれ、介護離職防止支援助成金の見直しや、65歳超雇用推進助成金が新設されるなどの動きが出ています。(H28/8/26時点)

 これら助成金は、支給申請の基準が頻繁に変更されますので、申請前に必ず管轄の行管庁へ確認を行い、申請をしてください。

 次回は、「労働保険、社会保険の仕組み(社会保険編)」についてお伝えします。


※本文中の法律についての記載は、平成28年9月8日現在の情報です。

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プロフィール

特定社会保険労務士 社会保険労務士法人スマイング代表社員 株式会社スマイング取締役  成澤 紀美 氏

特定社会保険労務士 社会保険労務士法人スマイング代表社員 株式会社スマイング取締役 成澤 紀美 氏

弘前大学 人文学部(現、人文社会科学部)卒業
大手SI企業・外資系物流企業・住宅建設不動産企業でシステムエンジニアとして10年以上にわたり技術開発・システム設計を担当。人事管理システム構築を行った事がきっかけで人事・労務に興味をもち、人事・労務コンサルティング事業を行う。
IT業界に精通した社会保険労務士として、人事労務管理の支援を中心に活動。企業の視点に立った労務管理セミナーや研修を行っている。
ホームページ:http://www.nari-sr.net/

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