理念経営の発展
第3回で『「陰陽五行」が示す経営プロセスサイクル』を示しましたが、理念経営の視点からもう一度そのプロセスを解説したいと思います。

「経営理念」プロセスは、「ビジョン(理想状態)」と「使命」と、更に両者をつなぐための「行動理念」を明確化することです。前述のように創業時のソニーでは、「快・小・匠」でした。
「学習・研究・開発」プロセスでは、「使命」として提供するサービスの開発とその開発に必要な「行動理念」を研究いたします。ソニーで言うと「小」の製品化を図るための「匠」の技術を研究する訳です。例えば、大ヒット製品のウォークマンは、ステレオを持ち運びできるように小型化した点で、画期的なものでした。「マーケティング・営業」プロセスでは、新しい製品・サービスを市場に提供していきます。又、市場の反応を見て、製品・サービスの見直しも図ります。ウォークマンでは、当初は再生機能だけでしたが、後でオート・リバース機能や録音機能を付与した製品を開発していきます。「イノベーション」プロセスでは、新しいサービス投入を評価して、既存製品体系の中に組み入れるか否かを考えます。ウォークマンは若者を中心に爆発的に受け入れられたので、製品体系に組み入れられ、量産化のプロセスを整備することになりました。そして又、「経営理念プロセス」に立ち戻ります。圧倒的に市場に受け入れられたウォークマンですが、確かに音楽好きな方には「快を与えましたが」、そうでない方には音漏れ等があり「不快」を与えていました。そこで、イヤホンなどの改善を図り、「音漏れ」も最少にする工夫がなされました。
又、同時にメモリーの技術革新により、価格がとても安価になったことから、テープ方式をやめてメモリ方式にして、更なる「小」化を図り、新しいウォークマンを発表した訳です。しかし、この時にアップル社のiPodが発表され、あっという間にウォークマンは市場を奪われてしまいます。時代としては、ネットワークが整備され、企業の枠を超えた連携も頻繁になってきた背景があります。
「経営理念プロセス」では、創業時に立てた理念価値の見直しをすることが重要となってきます。ソニーの例では、創業時は「快・小・匠」でしたが、時代の趨勢からは、その後は、理念価値がマッチしていなかったことがわかります。一方アップル社はどうだったでしょうか。アップル社の経営理念は、「Change the world」です。具体的には「beautiful design」「simply to use」「user friendly」を謳っています。シンプルで高い質感を持つ製品の提供を目指した訳です。これを「体・用・則」でとらえなおすと「美・簡・?」となります。「則」に対応するものは明示されていません。しかし、アップル社が打った「Think different」の広告の狙いを考えると、社員へのメッセージと同時に顧客へのメッセージであることがわかります。つまりこれまでの企業と顧客、あるいは企業間の枠、という概念をチェンジして、もっと幅広い連携を狙っていたと言えます。一文字で表すとすると「絆(きずな)」と表現できるかと思います。つまりアップル社の理念価値は、「美・簡・絆」と表現できます。
この「絆」の理念価値は、色々な音楽を配給する会社との連携を築き、好きな楽曲を自由にダウンロードすることを可能としました。一方、ソニーは、「匠」にこだわり、吸収した会社のコンテンツのみの提供で、市場からは厳しい評価となってしまいました。。
このように、「経営理念プロセス」では、社会の動向を観の目で俯瞰・洞察し、自社の経営理念の見直し、あるいは付加をしていかないと、あっという間に市場で淘汰されてしまいます。井深さんの視点からすると、「天意」の動向を察知して、それにふさわしい理念価値を生み出していくことが肝要となります。
「学習・研究・開発」プロセスでは、「使命」として提供するサービスの開発とその開発に必要な「行動理念」を研究いたします。ソニーで言うと「小」の製品化を図るための「匠」の技術を研究する訳です。例えば、大ヒット製品のウォークマンは、ステレオを持ち運びできるように小型化した点で、画期的なものでした。「マーケティング・営業」プロセスでは、新しい製品・サービスを市場に提供していきます。又、市場の反応を見て、製品・サービスの見直しも図ります。ウォークマンでは、当初は再生機能だけでしたが、後でオート・リバース機能や録音機能を付与した製品を開発していきます。「イノベーション」プロセスでは、新しいサービス投入を評価して、既存製品体系の中に組み入れるか否かを考えます。ウォークマンは若者を中心に爆発的に受け入れられたので、製品体系に組み入れられ、量産化のプロセスを整備することになりました。そして又、「経営理念プロセス」に立ち戻ります。圧倒的に市場に受け入れられたウォークマンですが、確かに音楽好きな方には「快を与えましたが」、そうでない方には音漏れ等があり「不快」を与えていました。そこで、イヤホンなどの改善を図り、「音漏れ」も最少にする工夫がなされました。
又、同時にメモリーの技術革新により、価格がとても安価になったことから、テープ方式をやめてメモリ方式にして、更なる「小」化を図り、新しいウォークマンを発表した訳です。しかし、この時にアップル社のiPodが発表され、あっという間にウォークマンは市場を奪われてしまいます。時代としては、ネットワークが整備され、企業の枠を超えた連携も頻繁になってきた背景があります。
「経営理念プロセス」では、創業時に立てた理念価値の見直しをすることが重要となってきます。ソニーの例では、創業時は「快・小・匠」でしたが、時代の趨勢からは、その後は、理念価値がマッチしていなかったことがわかります。一方アップル社はどうだったでしょうか。アップル社の経営理念は、「Change the world」です。具体的には「beautiful design」「simply to use」「user friendly」を謳っています。シンプルで高い質感を持つ製品の提供を目指した訳です。これを「体・用・則」でとらえなおすと「美・簡・?」となります。「則」に対応するものは明示されていません。しかし、アップル社が打った「Think different」の広告の狙いを考えると、社員へのメッセージと同時に顧客へのメッセージであることがわかります。つまりこれまでの企業と顧客、あるいは企業間の枠、という概念をチェンジして、もっと幅広い連携を狙っていたと言えます。一文字で表すとすると「絆(きずな)」と表現できるかと思います。つまりアップル社の理念価値は、「美・簡・絆」と表現できます。
この「絆」の理念価値は、色々な音楽を配給する会社との連携を築き、好きな楽曲を自由にダウンロードすることを可能としました。一方、ソニーは、「匠」にこだわり、吸収した会社のコンテンツのみの提供で、市場からは厳しい評価となってしまいました。。
このように、「経営理念プロセス」では、社会の動向を観の目で俯瞰・洞察し、自社の経営理念の見直し、あるいは付加をしていかないと、あっという間に市場で淘汰されてしまいます。井深さんの視点からすると、「天意」の動向を察知して、それにふさわしい理念価値を生み出していくことが肝要となります。
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