
ここ数年、「プロ経営者」という言葉をよく耳にします。雑誌はテレビなどでも特集されますが、生え抜きではなく外部から招聘される経営のプロということになります。
以前は日産自動車社長兼CEOのカルロス・ゴーンが有名でしたが、いまでは資生堂社長の魚谷雅彦氏、サントリー社長の新浪剛史氏、ベネッセコーポレーション社長の原田泳幸氏、LIXIL社長兼CEOの藤森義明氏、武田薬品社長のクリストフ・ウェバー氏、カルビー会長兼CEOの松本晃氏などがよく名前に上がります。
ほぼ共通する特長はというと、ビジネススクールを卒業したMBA(経営学修士)もしくはそれに準ずる人である、また新浪氏を除けば、外資系企業の経営経験が長いことも挙げられます。
とはいえ、日本では外部から招聘されるトップはまだまだ少数派で、社内から持ち上がるケースがほとんどです。米国系経営コンサルティング会社「Strategy&」が世界の大手上場企業2500社を対象に調査した2013年度のデータによると、日本企業では外部から招聘されるCEOは3%。米国・カナダは23%、西欧諸国では25%、その他新興国では40%という数字になっています。
また、同じ調査データによると、新任CEOの平均年齢は61歳と日本が最も高く、世界全体の平均は53歳とのことです。
さて今後、こうしたプロ経営者が日本でも企業トップに就くことは増えるのでしょうか。
以前は日産自動車社長兼CEOのカルロス・ゴーンが有名でしたが、いまでは資生堂社長の魚谷雅彦氏、サントリー社長の新浪剛史氏、ベネッセコーポレーション社長の原田泳幸氏、LIXIL社長兼CEOの藤森義明氏、武田薬品社長のクリストフ・ウェバー氏、カルビー会長兼CEOの松本晃氏などがよく名前に上がります。
ほぼ共通する特長はというと、ビジネススクールを卒業したMBA(経営学修士)もしくはそれに準ずる人である、また新浪氏を除けば、外資系企業の経営経験が長いことも挙げられます。
とはいえ、日本では外部から招聘されるトップはまだまだ少数派で、社内から持ち上がるケースがほとんどです。米国系経営コンサルティング会社「Strategy&」が世界の大手上場企業2500社を対象に調査した2013年度のデータによると、日本企業では外部から招聘されるCEOは3%。米国・カナダは23%、西欧諸国では25%、その他新興国では40%という数字になっています。
また、同じ調査データによると、新任CEOの平均年齢は61歳と日本が最も高く、世界全体の平均は53歳とのことです。
さて今後、こうしたプロ経営者が日本でも企業トップに就くことは増えるのでしょうか。
プロ経営者が求められる背景
先に挙げたプロ経営者の場合、それぞれ事情は異なるとは言うものの、激変する世界市場、日本市場の閉塞感、グローバル市場への展開などで、これまでの常識を破り、リーダーシップを取って状況を打開する経営のプロが強く求められて招聘されたということだと思います。
まだまだ少ないとはいえ、こうした外部招聘されるプロ経営者が注目される背景には、日本の従来方式のトップの選び方ではこの激変する状況を打破することができないのではないかという危機感があるからだと思われます。
一橋大学大学院教授の楠木建氏はこう述べています。
「スキルの総合点が高い人をトップに据えてしまうと悲惨です。社長の担当業務を粛々とこなすだけの「代表取締役担当者」になってしまいます。そういう会社からは、優れた戦略ストーリーは生まれません。」
また、ピーター・ドラッカーは1998年にForbesのインタビューで「日本の経営トップは経営しない」と話しています。
日本は高度成長期の時のように「普通の経営」をしていれば業績が伸びていくようなことはなくなり、非連続な成長を遂げていくような発想の転換、差別化、イノベーション、突破力が経営に必要とされてきているようです。そうした中で、社内論理で昇格し経営者としてのトレーニングが十分ではない人がトップになると、この先の厳しい経営環境を乗り越えられるのかという懸念が出てきます。
まだまだ少ないとはいえ、こうした外部招聘されるプロ経営者が注目される背景には、日本の従来方式のトップの選び方ではこの激変する状況を打破することができないのではないかという危機感があるからだと思われます。
一橋大学大学院教授の楠木建氏はこう述べています。
「スキルの総合点が高い人をトップに据えてしまうと悲惨です。社長の担当業務を粛々とこなすだけの「代表取締役担当者」になってしまいます。そういう会社からは、優れた戦略ストーリーは生まれません。」
また、ピーター・ドラッカーは1998年にForbesのインタビューで「日本の経営トップは経営しない」と話しています。
日本は高度成長期の時のように「普通の経営」をしていれば業績が伸びていくようなことはなくなり、非連続な成長を遂げていくような発想の転換、差別化、イノベーション、突破力が経営に必要とされてきているようです。そうした中で、社内論理で昇格し経営者としてのトレーニングが十分ではない人がトップになると、この先の厳しい経営環境を乗り越えられるのかという懸念が出てきます。
次世代経営層の育成が企業人事の最大課題
2015年のHR総研が調査したデータによると、企業人事の最大課題は次世代経営層の育成でした。
最初に書いたとおり、「プロ経営者」とは、生え抜きではなく外部から招聘される経営のプロのことを一般的には指すと言いましたが、内部から昇格する「プロ経営者」がいても全く問題ないわけです。
かつてLIXIL副社長で人事トップである八木洋介氏に講演を依頼した際、講演の中で「人事の最大の仕事か何か。次の社長を作ることだ」と話され、リーダー育成の重要性を非常に強調されていました。こうした意識は日本企業の中ではまだまだ少ないように私は感じています。
最初に書いたとおり、「プロ経営者」とは、生え抜きではなく外部から招聘される経営のプロのことを一般的には指すと言いましたが、内部から昇格する「プロ経営者」がいても全く問題ないわけです。
かつてLIXIL副社長で人事トップである八木洋介氏に講演を依頼した際、講演の中で「人事の最大の仕事か何か。次の社長を作ることだ」と話され、リーダー育成の重要性を非常に強調されていました。こうした意識は日本企業の中ではまだまだ少ないように私は感じています。
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