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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第11回  「対人対応力が身につく」会議 (前編)

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【事例After】
「今日の議題は、最近売り上げが落ち込んでいるお弁当の売り上げアップについてです。お弁当の売り上げアップをするためのアイデア出しをまず行いたいと思います。谷口さんから右回りで一言ずつお願いします。発言はひとり30秒以内です。30秒経過しますと話途中でも打ち切ります。お気を付け下さい」司会の清水が言った。
「はい、僕はですねえ、以前からうちのお弁当って、なんか味気ないなあって思ってたんですよ。唐揚げ弁当、とんかつ弁当、ハンバーグ弁当、鮭弁当って……なんか学生とか男性が食べるようなものが多いじゃないですか。これからは女性客を取り込む時代ですよ! 女性が喜ぶようなお弁当を作るべきだと思いますね。うちのスーパーの周りって……」
 谷口の発言の途中で、あらかじめセットされていたキッチンアラームがピピピピと大きな音を立てた。
「はい、谷口さんどうもありがとうございました。女性が喜ぶようなお弁当ですね。拍手~!」
 清水がそう言って拍手をしだした。ほかのメンバーも拍手をする。
 まだなにか話したそうだった谷口だったが、拍手が続くので、大人しく口を閉じた。
「では、次は下出さん、お願いします」
「……え~と……そうですね……私、この店に配属されたばかりでよくわかりませんので、みなさんにお任せします……」
 下出は自信なさげにそう言って俯いた。
「下出さんは○○店で長く勤めておられましたね。○○店で得た経験をもとに、ぜひ下出さんの意見を伺いたいのですが」
 清水がそう言うと、下出は再度口を開いた。
「……○○店では、インスタントのお味噌汁の子袋をサービスでつけていたらお客様から好評でした」
「なるほど! インスタント味噌汁のサービスですね! ありがとうございます。拍手
~! では、次、松田さんお願いします」


POINT
・会議は対人対応力を鍛えるチャンスと考えよう
・『自己中心型』は主導権を握らせないよう、話を受け取った後は別の参加者に話題を振ろう
・『お任せ型』は、「あなたの意見が聞きたいのです」という姿勢で対応しよう

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プロフィール

株式会社CHEERFUL 代表取締役 沖本 るり子 氏

株式会社CHEERFUL 代表取締役 沖本 るり子 氏

「5分会議」を活用した人財育成家
「だらだら、イライラ、まとまらない」対立会議を2500時間の体験から、話の聴き方・まとめ方等が身につく人財育成ができる「5分会議」のツールを開発。
ちょっとした工夫で「できない」を「できる」に!「クセ」を「コツ」に!強み弱みではなく個性を活かす人と組織の成長を促すコンサルタントとして活動。「5分会議」はヤフーニュースでも掲載された。
著書:『出るのが楽しくなる会議の鉄則』(マガジンハウス)
『相手が”期待以上”に動いてくれる!リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘出版)他
ホームページ:株式会社CHEERFUL

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