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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第11回  「対人対応力が身につく」会議 (前編)

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「自己中心型」はこんなタイプ!

 事例の谷口は、張り切って発言をしていますが、自分の言いたいことを一方的にまくしたてています。このようなタイプは『自己中心型』に分類できます。
 自己中心型の人は、自分の意見にこだわりすぎて、他人の意見に耳を傾けません。「俺が!」「私が!」と、とにかく自分中心で、話が長いです。
 長いだけでも困りものなのですが、自己中心型の発言は、的を得ていないこともよくあります。気持ちが先走っていて、言葉がついていかないのでしょう。聞いている側は「結局、なにが言いたいの?」と首をひねりたくなります。思いつきで話すので、話がとんでもない方向に脱線することもよくあります。
 また、他人の意見に口出すこともしばしば。話を横取りすることも珍しくありません。

「自己中心型」への対応法は?

 会議で自己中心型が暴走すると、ほかの人が話しにくい雰囲気が出来上がります。自己中心型の独演会になりがちなのです。
 こうした状況を回避するには、まず相手に主導権を握らせないことが大切です。もしあなたが進行係なら、次のような言い回しで対応します。
「へぇ~。確かに! 谷口さんはそう思うのですね。ところで、斎藤さんはどんなアイデアがありますか?」
 このように、いったん話を受け取った後、ほかの参加者に話を振ります。多少強引に途中で話を切ってしまっても大丈夫です。律儀に相槌を打ちながら聞いていると、自己中心型はさらに話し出す傾向にあります。
 最初にあらかじめ「発言は○分以内でお願いします。○分を過ぎた場合には途中でも打ち切ります」と言っておくことも効果的です。素直に守るとは限りませんが、暴走しづらくなることは間違いありません。
 話の終わりが来たということが分かるように、大きな音の出るキッチンタイマーを用意たり、「はい、ありがとうございました。拍手~!」と言えば、楽に打ち切ることができます。

「お任せ型」への対応法は?

 自己中心型のように一方的に自分の言いたいことを言う参加者がいる一方で、事例の下出のように、積極的な発言をせず、周りの流れや意見に任せるタイプもいます。このタイプは『お任せ型』に分類できます。お任せ型が多い企業の会議は、総じて盛り上がりません。お任せ型が多い会議には、暴走気味の自己中心型が多かったり、ワンマン経営者が仕切っている場合が多いです。
 お任せ型には、彼らが話しやすいような問いかけ(質問)をしてあげることが大切です。たとえば、次のような質問をします。
「○○さんの意見をぜひ聞かせていただきたいのですが」
 このように、「ほかの誰でもない、あなたの意見が聞きたい」という姿勢で質問をすると、口の重いお任せ型も、責任感を持って会議に臨んで発言してくれるようになります。

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