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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第11回  「対人対応力が身につく」会議 (前編)

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【事例Before】
 とある大規模スーパーで、お弁当の売り上げアップについての話し合いが行われている。
「今日の議題は、最近売り上げが落ち込んでいるお弁当の売り上げアップについてです。お弁当の売り上げアップをするためのアイデア出しをまず行います。谷口さんから右回りで一言ずつお願いします」司会の清水が言った。
「はい。僕はですねえ、以前からうちのお弁当って、なんか味気ないなあって思ってたんですよ。唐揚げ弁当、とんかつ弁当、ハンバーグ弁当、鮭弁当って……なんか学生とか男性が食べるようなものが多いじゃないですか。これからは女性客を取り込む時代ですよ! 女性が喜ぶようなお弁当を作るべきだと思いますね。うちのスーパーの周りって企業さんが多いからたくさんOLさんとかいるはずなんですけど、OLさんは近くのお弁当屋さんとか、○○町のサンドイッチ屋さんにパンを買いに行っています。っていうか、お弁当だけが目の敵にされてますけど、お弁当以外にも売り上げ下がっているものあるんじゃないですか? 100円均一コーナーとか、品揃え悪すぎて客入ってないですよ。あっ、そういえばうちのパンコーナーも、もしかしたら売り上げ落ちちゃってるんじゃないですか? ○○町のサンドイッチ、この間、雑誌にも出てたしなあ~。どうなんですか?」
 谷口が言った。谷口は会議になるといつも積極的に発言するが、一方的にまくし立て、話が脱線することもしばしばだった。
「え~と……パンの売り上げについては、どうなんでしょう? まあ、今はお弁当について考えてくれというのが専務からのお達しなので、それについてはまた改めてということで……。では、次、下出さん、お願いします」
 清水は谷口の隣に座る下出を指名した。
「……え~と……そうですね……私、この店に配属されたばかりでよくわかりませんので、みなさんにお任せします……」
 下出は自信なさそうに小さな声でそう呟き、後は貝になった。

会議はコミュニケーション能力をアップさせる場

 会議にはいろんなタイプの人間が参加します。これまでの連載でご紹介してきた会議の技法を使えば、どんなタイプの相手が参加していてもスムーズに話し合いができ、まとまるのですが、従来の会議のやり方で進められる会議に参加することが多いでしょう。
 その場合は、会議を『コミュニケーション能力を鍛える場』と考えましょう。
 会議の参加者をよく観察し、その対応策を学ぶことで、対人対応力を格段にアップさせることができるようになります。

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