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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第6回  「リスク管理・危機管理力を向上させる」会議

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【事例before】
 売り上げが落ちているので、営業部のサポートをすることになった経営企画部。会議が開かれ、「誰を営業部サポートの担当にするか?」について話し合われていた。
「今年いっぱいは経営企画部でも営業部のお手伝いすることになったので、誰が担当するかみんなで決めてもらえる?」と岡上部長が言った。
「新人の岡倉君でいいんじゃないですか?」と風間がすぐさま発言した。
「あぁ、それいいね! 営業部の仕事を手伝うと、それだけ多くのことも学べるからね」と言うのは、さっさと担当を誰かに決め、早く会議を終えて通常業務に戻りたい課長の浅丘であった。
「そうそう、新入社員がいいよ! 他の部署で仕事を手伝えば、どういう状況かも把握できていいよね。新人のうちからそんなチャンスに恵まれるなんてうらやましいよね~」といつもは否定的意見を言う吉川が珍しく同調した。自分に仕事が降りかからないうちに、誰でもいいから早く決めてしまいたいという気持ちからだった。
「今日の会議は、みな、積極的に発言するね~」と浅丘が満足げに言った。
「私も岡倉君がいいと思います」と同じ新人の浜田も、自分に火の粉が降りかからないうちに賛同を示した。
「おぉ! じゃあ、これで決まりだね! 岡倉君、いいね?」と浅丘が言った。
「えぇ! いや……ちょっと……。僕にはできそうもないですけど……。まだ今の仕事さえよくわかってないし……それに、これから仕事も増えてきそうなんです……」と大慌てで岡倉は言った。
「え? そうなの? じゃ、同じく新人の浜田さんがやってよ」との浅丘課長の発言に「私も無理ですよ! 同じく、いや、彼以上に、私の方が仕事を抱えてますから!」とすかさず浜田が言った。
「私は大型有休とる予定があるからダメですよ!」と続けて吉川が声を張り上げた。
「もう! これじゃあ、話が決まらないじゃないかぁ~! 忙しいのはみんな一緒だから、つべこべ言わず、岡倉君で決まり!」とイライラしてきた浅丘課長が大声で言い放った。

 それから2週間後のことだった。朝礼で、「なにか報告することはないか?」という浅丘に、岡倉が「はい」と手をあげた。
「マーケティング部との共同作業で、北海道の展示会に行きます。そこで11月から1か月間は本社をあけることになってまして……。その間は営業部のサポート担当できませんが、どうしましょう?」と岡倉は言った。
「えぇ~!? そんな、今更言われても。なぜ今頃になって……。そういうのは担当決めるときに言えよ。事前にわかっているイベントのはずだろう!」と浅丘が言うと、「いや、あのとき、これから仕事が増えてきそうで、と言いましたけど……」と岡倉は小さい言で言い返した。
「いや、もっと具体的にさ、展示会の仕事があると言わなきゃ、分からないだろう! …って、そんなこと言ってる場合じゃないな。早く他の人で担当決めよう。11月から1か月間、誰が営業のサポート担当できる?」と言って、浅丘は社員を見渡した。しかし、みんな一様に浅丘から視線をそらし、誰ひとり手を上げるものはいない。
「……そしたら浜田さん、代わってやってくれないか?」と浅丘は浜田を名指しした。
「私は、12月半ばからK社との共同イベントを任されておりまして……」という浜田の返事に、浅丘は「じゃあ、吉川さんは?」と今度は吉川に話を振った。
 吉川は、「この前の会議でも申し上げたように、私はちょうど11月終わりから二週間有休取るので、無理です!」と言い放った。
 朝礼の報告会が、いつの間にか業務の押し付け合いの場に変化していた。

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