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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第5回  批判的思考(クリティカルシンキング)を向上させる

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【事例before】
 営業部へのサポートが決まり、「どんなサポートをするか?」について、会議にて話し合いが行われている経営企画部内。
 新卒の浜田が意見を出した。
「営業部の人たちは、PC入力など内勤業務が苦手な人が多いと聞いたので、内勤業務のお手伝いをした方がいいと思うんですよ。そこでお見積りも請求書も含め、営業から口頭で指示してもらって私たちが端末入力すれば、営業の作業が軽減できるんじゃないですか?」
 浜田の意見に、同じく新卒の岡倉も「僕もそう思います。それなら僕でもできそうですから……」と言っている途中で、課長の浅丘が話に割って入った。
「おぉ、新人の2名もよく分かっているね~! その積極的に手伝おうという姿勢、すばらしいね! まさにそうだよ。営業部の者たちは内勤業務が苦手なやつらばかりだ。営業1課の尾形なんかは完全に苦手だよ、同期だったから知り合いだけどさ。書類作らせても入力ミス多いし。営業の連中は勢いはあるけど細かいことは苦手なんだよ。きっとそのサポートが喜ばれる。他の者はどう思う? 風間さんは?」
「よく分かりませんが、それでいいんじゃないですか~。営業の人たちが苦手なら、お手伝いしてあげれば……いいですよね? 吉川さん」
 風間はそう言って、隣に座る吉川に話を振った。
「う~ん……どうでしょう? 営業部の人たちが全員内勤業務が苦手なのかどうかって、憶測でしかありませんよね。独自のやり方や、お客様によって多少違うこともあるだろうし、口頭で指示もらって、後々ミスの多発がないか、よく検討したほうがいいんじゃないでしょうか?」と、それまで出ていた意見とは少し視点が違う意見を言う吉川に、浅丘は「……あのさ! せっかくみんなで意見がすんなり一致しかけたときにそういうこと言う? 吉川さん!」と不機嫌な表情で非難した。
「そうは言いますが、浅丘課長! もう少し、いろんな面で考えてみてはいかがですか? 『営業部はみんな内勤業務が苦手だから手伝う』というのはあまりに短絡的ではないですか?」
「吉川さんこそ、もっとみんなの意見を尊重してほしいなぁ。せっかく、まとまりかけていたところを……壊す? 君、空気読めないよね!」
「ちょっと待ってくださいよ! 空気読めないって……なんでも意見を出してくれって言うから、出したんじゃないですか! みんな同じ意見なんて、会議の意味あります? それおかしくないですか!」
「……ちょっと、落ち着きましょうよ! 浅丘課長! 吉川さん!」と、話し合いが脱線しそうな勢いで言い合いになる二人に、風間は見るに見かねて止めに入るのだった。

多数派意見だけを尊重しない

 会議では、「営業は内勤業務が苦手だから、内勤を手伝う」というところで話が進んでいました。それに対し、吉川のみが別の視点からの意見を出して、課長の浅丘が非難しました。
 みんなとは違う意見を出す吉川に対し、「みんなの意見を尊重して」と浅丘は述べていますが、このように『多数派意見=正しい意見』とする会議はとても多いです。しかし、多数派意見がはたして正しいでしょうか?

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