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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第4回  「話をまとめる力を向上させる」会議

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【事例before 】
 営業部へのサポートに対するアイデア出しを一任された課長の浅丘は、会議が始まると、前に立って意気揚々と話し始めた。
「売り上げが下降気味なので、営業部にはできるだけ外に出てもらうことになりました。そこで、私たちに何ができるか? アイデアを集めたいんですが……。吉川さんは、どんな意見がある?」
 浅丘が最初に指名したのは、組織内では中堅社員の吉川だった。
「はぁ……。えっと、まずですね…、え~……営業部も営業部なりに、その……頑張ってることはわかるのですが…、でも、営業部がどう頑張っているかがいまいちよく分からず、その、営業部が何に困ってるかも分からず……、だから、そもそも我々に何ができるかもわからないんですよね。営業部が、その、何を求めてるのか、そのあたりが明確になれば、もっといいアイデアも出せると思うんですよ。なので、その、私が今から言う意見は、そんな状態で考えたアイデアなので、良いアイデアかどうかわかりませんが……」
 ……と、前置きが長い吉川の発言に、浅丘課長はしびれを切らしてこう言った。
「……だから、何? 時間もあまりないので手短に頼むよ」
「えぇ……だから、あの、つまりですね、私の意見は…各営業担当に1名づつサポートをつけたらどうかということです!」
 それを聞きながら、浅丘課長はホワイトボードに「吉川:各営業担当に1名ずつサポートをつける」と書き「はい、次! 風間さんの意見は?」と言った。
「営業担当に1名ずつサポートをつけると、営業は助かるかもしれませんが、私たちの仕事が止まってしまいますよね。継続するわけでもないのに……。一定期間だけですよね。そのために営業の仕事を覚えるのも私はどうかと思うんですよね。それより、継続性のあるサポートということで考えたら、営業が時間をかけてることで、もっと時間の短縮になることはないか? それが何かだと思うんですよね~」
 という風間の長くまとまりのない発言に、「……だから? なんですか?」と、イライラした口調で浅丘は言った。
 風間は一呼吸おき、こう続けた。
「ですから、営業が作成しやすい企画書のフレームを作成したらいいのではないでしょうか?」
「あぁ、営業が作成しやすい……」と言いながら、浅丘は板書を始め、「企画書のフレームをさ・く・せ・い!と……」意見を書き切った。

話は「ひと言だけ」で発言させること

 事例では、社員の長い前置きやまとまりのない発言に、課長の浅丘はイライラしていますね。
これは、浅丘の会議の進め方にも問題があります。「どんな意見がある?」のような尋ね方をするから、参加者の話の前置きが長くなったり、まとまりのないものになるのです。

 会議で素早く多くの意見を集めるために、「ひと言」ルールにします。
 たとえば、アイデアだけをひと言で発言するようにし、アイデアの背景や理由などは一切発言をしないようにします。ちなみに、ひと言というのは、1文です。句読点の句点は1つだけです。
 このようなルールがあると、「なにか役に立つこと、良いことを言わなければ……」と考えて躊躇することもありません。また、話が長くなることも防げます。
 「ひと言」ルールで会議を行うようにすると、普段から不要な言葉を削除して話す癖もついてきます。会議で話す力が磨かれるということです。

意見は、視点に分けて発言させる

 「ひと言」ルールにするためには、“視点を分けた話し合い”が必要となります。

①アイデア出しの時間 
②出た各アイデアの良い点を出す時間 
③出た各アイデアの良くない点を出す時間 
④良くない点の対策を考える時間

 ……など、細かく視点を分解して議論していきます。

 お手本を見せるために、進行係が最初に発言をするようにします。たとえば、①アイデア出しの時間で、進行係が「各営業担当に1名づつサポートをつける」と発言すると、その右隣(もしくは左隣)が「企画書のフレームを作成」と意見を出していきます。一人ひと言を順番に言い、時間が来るまでぐるぐる回していきます。時間が来たら、次のテーマ(②出た各アイデアの良い点を出す時間)に移ります。
 このようにすることで、たくさんの意見を吸いあげることができます。

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