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会議の時間を有効活用する、“人財育成”

第3回  「自律型人財が育成される」会議

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【事例before】
 部長の岡上から、営業部へのサポートに対するアイデア出しを一任された課長の浅丘。
 浅丘は学生時代から仕切り屋で、会議の運営にもちょっと自信があった。
「来週月曜の朝9時より、会議を開催する。会議の目的は、売上げが下降気味につき、営業部にもっと外に出てもらうため。会議の目標は、私たち内勤スタッフが行える営業部へのサポートのアイデアを3個以上決めること」と、会議開催の目的・目標に加え、時間表なども事前に参加者全員へきちんと通達し、やる気まんまんで会議の日に備える浅丘だった。

―――会議当日。

「よし!みんな揃っているね。9時になったので、予定通り会議を行います。では早速、事前に配布していたアジェンダでの情報を共有しよう」と、浅丘はアジェンダを開き、内容の確認を各自にも促した。
 続けて、「9時30分まで、まずはみんなでアイデアを出し合おう。みんな、どんなアイデアを考えてきたか教えてくれるか?」と参加者全員の顔を見ながら言った。
 しかし、場は静まり返っている。誰ひとりとして発言しようとしない。
「おいおい、会議の概要は事前に伝えていたはずだよ。吉川さんはどんなアイデアがある?」と浅丘は吉川を名指しした。
 吉川は、「はぁ……各営業担当に1名づつサポートをつけるのはどうでしょうか?」と発言をした。
 浅丘はその意見をホワイトボードにさらさらと書きながら、「他の人は?」と声を掛けた。
 しかし、相変わらず誰も発言しようとせず、再び重い沈黙が流れた。
「……風間さんは?」と問う浅丘に、数秒間があいた後、名指しされた風間は「……営業の書類作成を手伝ってあげるとかどうでしょう?」と言った。
「なるほど。書類作成……と」と言いながら浅丘はホワイトボードに書き込んだ。書き込みをしながら、今度は「では、岡倉さんは?」と名指しした。
「そうですねえ、えっと、営業部が作成しやすい企画書のフレームを作成してあげたらどうですか?」と、浅丘の指名を受けて発言する岡倉。
 浅岡は「企画書のフレーム作成……」と呟きながら書き込んだ。そして、「浜田さんは?」とまた名指しした。浜田は、「既存客への電話フォローを手伝う……」と発言した。浜田の発言をホワイトボードに書き込んだ後、浅丘は時計をチラリと見た。
「おっと、もう25分経った。残り5分、どんどん出していこう。えーっと、まだアイデアを出していないのは……」

 ……以降、会議は終始こんな具合に、浅丘が各自から名指しで意見を聞きだし、その意見をホワイトボードに書き出すことの繰り返しで進んでいった。時間管理ももちろん浅丘がひとりで行った。
 浅丘が仕切る会議は、会議の目的や目標、時間も明確で、会議終了時間の延長や議論の脱線は確かに少ない。だが、参加者から積極的に意見が出ることはなく、参加者はただ名指しで訊かれたことのみ答えるという、覇気のない会議に終始した。

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