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デール・カーネギーが贈る成功の秘訣

第26回  下手なプレゼンテーションはブランドの命とり

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 落ち着いていれば、質疑応答という名のブラックホールに放り込まれても、流れを見失うことはありません。しかし、この講演者は慌てふためいてプロらしく質問に対応することができず、プロとしての彼のイメージは徐々に崩れていきました。

 別の日には別のプレゼンテーションで別の凡ミスに遭遇しました。講演する会場は丁寧にチェックすることが必要です。きちんとトレーニングを受けていれば、レイアウトを見ただけで、会場の特徴に合わせて何をすべきかがすぐわかります。この会場は左右の幅がかなり広い割には奥行きがなく、中央にスクリーンが置かれていました。

 講演者はマイクを使いましたが、この会場の大きさと形、講演者の声の大きさからするとマイクは不要でした。

 主催者もスピーチの専門家でないことが多いので、マイクが用意されていても、マイクを使わないと声が届かない限りは、マイクは使わずにおいておきましょう。マイクを持っていると、片手しかジェスチャーに使えないうえ、演壇のマイクの前に立ったままになります。マイクを持つ手が震えていては緊張していることを全員に白状するようなものです。

 主催者がラップトップを置くための 演壇を用意しておくと、演壇の前に張り付いたままになりがちです。つまり、下半身は聴衆に見えず、ボディランゲージを使う機会が半分に減ってしまいます。

 背の低い方は特に注意が必要です。頭だけが水面に出ているかのように、高い演壇の向うに講演者の頭だけが見える異様な光景を私は何度も目にしてきました。早めに会場に入って、講演を行う前に客席から自分がどのように見えるか確認してください。踏み台のようなものを主催者に用意させるか、演壇自体をどかしてしまうことです。

 とどめを刺したのは講演者の足の位置でした。聴衆に向かって足を一定の角度にして立つと、上半身は無意識のうちに会場の片側を向くことになります。この講演者は半分の聴衆を見向きもしませんでしたが、そのこと自体にも気づいていませんでした。身体をひねって反対側の聴衆に向けて身体をひねることもできたはずですが、この動きは自然に反しています。それよりも、聴衆に向かって足を90度開いて立てば(両肩が正面を向き)、頭だけを動かして会場の隅々にまで「目力」を使うことができます。

 最後の例をご紹介します。今回の講演者は数人でしたが、テクノロジーに頼るリスクを浮き彫りにしました。きちんと動けば、ビデオと音声は素晴らしいものです。しかし、このグループは明らかに素人で、全員がビデオを動かそうと躍起になっていました。講演者の1人がIT担当者であるにもかかわらず、IT機器が動かないような場合ほど、ブランドにとって致命的なことはありません。会場に集まったITの素人たちにとっては他人の不幸が小気味よい瞬間でしたが、当事者と組織の信頼性にとっては命取りの悲しい瞬間でした。リスクを冒してでもビデオを使うメリットがあるか、よく考えてください。なくてはならないというのでなければ、ビデオはやめて、それより100万倍もパワフルなあなた自身をフルに活用しましょう。

 どうしても必要な時は、講演者全員のビデオを1つのラップトップにロードし(全部のバックアップを用意して)、ビデオを埋め込んで(WiFiを使おうとするなど言語道断)、プレゼンテーションのすべてについて事前にテストすることです。それでも問題が発生したら、直そうとしたり隠れようとせず、ビデオはあきらめて、伝えたかった主なポイントだけ口頭で説明します。止まらないで続けることです。あなたがパニックに陥ってキーボードを眺めている間に、聴衆があなたの髪型についてあれこれ考えながら退屈することだけは絶対に避けてください。

 ブランドへの致命傷、現場の凡ミスのこれらの例は簡単に直すことができます。言い訳にはなりません。プレゼンテーションのコツを学び、トレーニングを受ければ、自分自身と組織が恥ずかしい思いをするのをストップできます。

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プロフィール

デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン 代表取締役  グレッグ・ストーリー博士<Br>(Dr. Greg Story)

デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン 代表取締役 グレッグ・ストーリー博士
(Dr. Greg Story)

デール・カーネギーに参画するまで、インターナショナルな環境での人材育成研修を数多く経験してきた。まずアジアにあるAustrade社ではリージョナルトレーニングプログラムを企画し、このプログラムを拠点で実施展開するための社内インストラクターの養成も行い、そのためのプログラムも開発した。具体的には、ベトナム、台湾、香港、中国、韓国、そして日本で実施展開を行った。また新生銀行では、ジェネラル・マネージャーとして、新生ビジネススクール(新生銀行の社内ユニバーシティ)創設に尽力し、特に銀行のリテール部門における、製品知識や、セールス、マネジメント、リーダーシップそしてカスタマーサービスの研修に関する社内インストラクターの育成を行った。

デール・カーネギーのトレーナーとしてはデール・カーネギー・コース、アドバンスト・デール・カーネギー、セールス・アドバンテージ、リーダーシップ・トレーニング・フォー・マネージャーズ、ハイ・インパクト・プレゼンテーションの認定を取得しており、今まで貿易、金融、IT、リテール、官公庁、製造、教育等の産業にトレーニングを提供してきた。

デール・カーネギー・トレーニングは、企業が必要とする6つの分野にフォーカスしたカリキュラムを提供しています。
・チームメンバーエンゲージメント
・リーダーシップ開発
・プレゼンテーション
・プロセス改善とイノベーション
・セールス
・カスタマーサービス

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