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デール・カーネギーが贈る成功の秘訣

第22回  仕事で何をするかだけでなく、仕事にどう取り組むか

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 チーズを求めて輪の中を走り続けるねずみは、現代生活を的確にたとえているようです。チャールズ・チャプリンの映画「モダンタイムス」の中でせわしなく働く組立ラインのシーンは笑いを誘いますが、戦慄が走るほどおなじみの光景です。人間を自由にするはずのテクノロジーに、人間は365日24時間縛られるようになりました。

 毎日多忙を極めているのに、ゴールが見えないように感じることも少なくありません。時計ばかり気にしていて、もっと大切なコンパスを見失っているからです。しかも、そんなゴールに達したところで、大した達成感は得られません。

 毎日の「すること」リストはありますか? 「こうありたい」リストはどうですか? アイデアのリストは? それとも、何もお持ちでない? 自分の仕事をコントロールしていますか、仕事にコントロールされていますか?

 上下関係のない組織、マトリックス型組織、時間と品質とコストの絶え間ない対立、一日に50~100本届く電子メールを前に、1日24時間の使い方の重要性がますます高まっています。

 すべてを行うことは不可能です。フー、ほっとしましたか? 待ってください。まだ「任務完了」ではありません。すべてを行うことはできませんが、毎日一番大事なことをすることは可能です。常に、「今していることが最も有効な時間の使い方だろうか?」と自問してください。尻込みしないで!

 単に仕事することと仕事に取り組むこととの間には大きな差があります。変化する市場、テクノロジー、規制、通貨などで「コンパス」にまつわる重要な優先事項から我々の注意が逸らされる可能性があります。

 組織に雇われている人は上層部のかけひきで瞬時に人生が一変することがあります。会社に忠実で勤勉、生産性が高い優秀な社員でも解雇されることがあります。家族や友人と過ごす代わりに長時間働いた苦労も水の泡です。このように解雇される人は珍しくなく、誰もがある日自分も同じ運命をたどるかもしれないことを知っています。「走る続けるねずみ」になるのはいとも簡単です。

 自営業の人の場合、将来に備えて脇目もふらずに働く人も少なくありません。

 時間管理の古典的な用語で言うと、我々は緊急で重要という第1象限の暗示をかけられています。計画し思考し準備する時間などありません。時間を見つけない限り、緊急ではないが重要という第2象限に進むことはできません。

 改めてゼロベースの思考から始めましょう。ご自分の一日を分析してください。ミーティング、電話、フォローアップのメール、顧客との約束、スタッフにはっぱをかけるなど、あなたは自分の時間をコントロールしています。

 コンパスの助けが必要なのは、コントロールされていない時間です。本当に効果を上げたいなら、「今していることが一番有効な時間の使い方だろうか?」というこのフレーズを何度も繰り返すことです。 答えがノーならすぐにやめて、他の人にまわしましょう。第2象限に進むチャンスを棒に振ってはいけません。問題解決、創造、思考、イノベーションを行うのは第2象限だからです。

 大企業で成功しているCEOはルーチンワークに時間を使う代わりに、問題解決や自己開発に時間を割いています。CEOにまで登りつめたのは、常に「時計でなくコンパス」の規律を守ったからなのか、それともCEOになったから実践しているのでしょうか? あなたはどう思いますか?

 毎日の「すること」リストはルーチンワークの目標についてです。是非とも、問題解決や「コンパス」志向の自己開発作業にちなんだ優先事項が中心の「こうありたい」リストも作ってください。重要なのはそれに必要な時間を確保することです。

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