効果的なセールスミーティング

皆さんの中にはセールスミーティングは企業の中の専門機能であり、セールスマネージャーはセールスの専門家だと考えている方がいるでしょう。とんでもありません!セールスマネージャーの大多数は訓練を受けておらず、前の会社で目にしたことを模倣しているに過ぎません。

 皆さんの中にはセールスミーティングは企業の中の専門機能であり、セールスマネージャーはセールスの専門家だと考えている方がいるでしょう。とんでもありません!セールスマネージャーの大多数は訓練を受けておらず、前の会社で目にしたことを模倣しているに過ぎません。前の会社で自分の成績が認められて管理職に昇進したわけです。こうした昇進に際して、セールスチームの一員からセールスリーダーに変身するためのトレーニングが行われることは通常ありません。リーダーとして、自分が目にしてきたのと同じセールスミーティングを行うので、何の価値もないミーティングが連綿と続いていきます。
 セールスチームの時間は企業の中で最も貴重なリソースの1つですが、それには2つ理由があります。最大の価値は顧客と相対する時間にあり、それ以外のことはすべてこの活動をサポートすべきだからです。それ以外は機会損失の費用といえます。

 リターンの低い活動にセールスの人件費を無駄に使っている側面もあります。多数のスタッフがセールスミーティングに参加している場合、その時給を計算し顧客に対してセールスしていない機会損失費用を計算したら、膨大な額に上るでしょう。セールスミーティングのほとんどは現在の業績評価と主な顧客に関するフィードバックです。セールスチームの20%が業績の80%を上げている場合、業績の20%にしか貢献していない80%のスタッフにとってミーティングは苦痛です。辛らつな質問や厳しい口調に始まって、批判するような眼差し、頭ごなしの説教や耐え難い屈辱が待っています。しかも、セールスリーダーの中には個別に話をするのでなく、あたかも町の広場での公開処刑の方を好む人が少なくありません。日本では成績の悪い営業担当に物を投げた上に言葉の暴力を浴びせかけるという行為が伝説的に行われています。セールスマネージャーの激昂は恐ろしく、チームはやる気を失います。

 セールスにおいて感情が安定することは決してありません。売上好調はめったになく、成績不振が普通です。営業活動の心理的な要素とセールスミーティングの適切な構造を考慮して、日頃から失敗を経験しているチームを元気づけることです。
  • 元気が出る話でミーティングを始めます。簡潔に、各自が順番に行います。
  • イベントやスケジュール、新商品やプロセスについての連絡は手短に行います。
  • 目標は1週間の目標に細分すべきです。目標を達成できなかった場合、セールスマネージャーは叱責する代わりに、業績を上げるために何をすることがチームに必要かを気づかせることに注力すべきです。失敗続きのチームにセールスマネージャーが希望の言葉を発すれば、チームはもっと頑張れるはずです。
  • 顧客に関する最新情報はチームについての情報を共有する絶好の機会です。またベストプラクティスのアイデアや例がもたらされ、全員にとって学びの機会でもあります。最新情報を基に積極的に働きかけ営業担当から知ったことをセールスマネージャーがまとめます。
  • 凝ったトレーニングをする必要はありません。営業訪問の特定の部分だけを取り上げた単純なロールプレイの練習を行って注意を喚起します。セールスマネージャーが指導し、うまくいっていることはほめ、改善できる部分があれば伝えます。
  • ほめことばを出し惜しみしないことです。優れた行為を認め、ほめ、奨励してください。優秀な営業職を支援するサポートチームを褒めることも忘れずに。
  • 結果につながる活動に対して営業職が全力で取り組むようにします。全員が自分のコンタクト、スケジュール、売上を知っておくべきです。その週の目標達成に向けて、毎週チームに精いっぱい努力させます。
  • 威勢のよい締めくくりでミーティングを終えます。

 セールスはよく「やる気のバトンタッチ」だと言われますが、セールスミーティングではやる気をバトンタッチすることの大切さを忘れがちです。是非試してみてください。