エンゲージメントレベルの低い従業員のモチベーションを高める

スタッフの業績や能力の評価は、困難な仕事です。「エンゲージメントレベルの低い従業員」を見極めるのは、さらに困難なことと言えるのではないでしょうか。

 スタッフの業績や能力の評価は、困難な仕事です。「エンゲージメントレベルの低い従業員」を見極めるのは、さらに困難なことと言えるのではないでしょうか。彼らは、仕事における最低限の標準には達しているものの、それを超えることはめったにない従業員のことです。解雇するほどではありませんが、業績を伸ばすことは期待できません。すぐれた管理職になるには、さまざまなタイプの「エンゲージメントレベルの低い従業員」を見分け、彼らのモチベーションを高めて業績を伸ばす適切なテクニックを身につける必要があります。ここではそのコツを紹介します。
選択基準の重要性
これこそが生産性の低下を回避する究極の手法です。現実的な職務内容を打ち立て、たとえ人員不足の状況でも、採用において妥協を許さなければ、仕事で成功する人材を確保できる可能性は高まります。急いで雇用すると、のちに後悔ことになるでしょう。採用手順に従ったとしても、まれに間違いは起こり、採用した人物が期待外れだったということもあるでしょう。だからこそ試用期間は重要なのです。上司である者は、新しいスタッフが周囲から何を期待されているのかを自身で把握できていること、そしてその基準が適していることを確認しておく必要があります。試用期間中は、辛抱強く、従業員の可能性を見出す努力(追加のトレーニング、コーチング、特別な注意を向けるなど)を心がけましょう。

コミュニケーション
パフォーマンスの不振は、不平不満が原因の場合もあります。人によっては不平不満があっても、表面化して対処されるまで心の奥底に潜ませていることもあります。仕事上の目標が達成できなかったために、失望している従業員もいるでしょう。チームメンバーの目標を確認し、その目標達成を助ける必要があります。好成績の維持や追加のトレーニングなどを含めて、目標達成のためには何をすべきかを明確に伝えましょう。

マンネリの排除
従業員によっては、同じ担当業務に長く就きすぎて、もはや仕事を楽しいと感じていないこともあります。そのようなときは、業務を充実させることで、かつての高い生産性を取り戻すことができます。数人であたっている業務をひとつにまとめ、各従業員の仕事の幅を広げるとよいでしょう。仕事のあり方を変えるという方法も考えられます。仕事をより楽しくまた効率的にするようなアイデアの提案を強く奨励しましょう。特殊なプロジェクトを割り振ることも、変化をもたらし、イノベーションやクリエイティビティを育むことに役立ちます。

ベテラン
経験豊富な社員は、頼れる従業員の典型であり、既に何年も勤めています。彼らは生産性の向上に協力したいと考えるものの、自分の役割は果たしたと感じています。こうした「古株」に新しいプロジェクトを割り振れば、彼らの経験に敬意を示すことができるだけでなく、これまでとは異なる新しい何かを行う機会を提供することができます。それによって得た刺激は、彼らが通常の業務に戻った際にも消えることはありません。人々を「コンフォート・ゾーン-居心地のよい領域」から、あえていったん外に連れ出すことこそが、効果的なマンネリ化対策と言えます。

 チーム内のさまざまなメンバーやそのニーズを正確に把握した上で、これまでとは異なる任務やプロジェクトに任命することにより情熱やモチベーションを高めることができます。それによって、チームメンバーは仕事にさらに打ち込むようになり、生産性の高いメンバーへと変わるのです。これはまさに「高いエンゲージメントレベル」の実現です。