離職を減らし、従業員エンゲージメントを生み出すための3つの方法

「人を動かす」「道は開ける」の著者デール・カーネギーが1912年に設立したデール・カーネギー・トレーニングは、人間の持てる知識と才能を最大限に活用し、個人としても社会人としても成長の範囲を広げるセミナー・研修を提供し続けています。1963年に日本へ持ち込まれたこの独自のトレーニング手法は、その後日本のニーズ、文化に合わせて進化を遂げています。こちらでは、個人と組織がビジネス目標を達成する上で役立つトピックをご紹介します。

1.  従業員が高度なスキルを身につけられるようにサポートしましょう。
優秀な人材がプロジェクトや戦略的イニシアチブをサポートするために雇われますが、彼らにとって、プロジェクトの注目度が低くなってきた、または学習曲線が緩くなってきたと感じた途端に、プロジェクトあるいは部署、ひいては組織を離れることを考え始めます。従業員が技術的な能力と転換可能なスキル(コミュニケーション、自信、リーダーシップおよび対人スキル)の両方を身につけるのをサポートすることにより、組織は従業員の人材育成に関心があるということを示すことができます。より全体的な従業員育成のアプローチを選択することが、従業員エンゲージメントにおいて最初の重要な一歩となります。特に若い従業員の場合は組織に入ってから大体3~4年後に離職する傾向があるため、この点をよく考慮すると良いでしょう。

2.  従業員にオーナーシップの意識を持たせるようにしましょう。
昔から言われる「自分自身のものとして考えるように」とは良く言ったものですが、難しいのはこの格言を実行に移すことです。計画、活動および詳細がいずれも指令として与えられるような環境では、オーナーシップの意識を生み出すのは困難です。従業員が計画、活動および結果についてアイデアを貢献するように、マネージャーは積極的に従業員とエンゲージする方法を見つける必要があります。私たちは皆「自分の世界は自分たちが作っていく」のだということを忘れないでください。従業員が成功の報酬を共有することが増え、また、失敗を学習や成長の機会に変える上でサポートが受けられれば受けられるほど、プロジェクトに対するオーナーシップの意識が生まれ、一定して成果を得るために完全にエンゲージするようになります。

3. 従業員に、今の努力が将来の機会につながるということを実感させるようにしましょう。
従業員は、自分の仕事が互いに関連性のない活動の連続にすぎないと感じると、すぐにより意味のある仕事が存在する機会を求め始めます。彼らが大して重要でなさそうな仕事に従事しているのを見かけたら、マネージャーはその仕事がプロセスの中でまだ重要であるかどうかを見直すか、あるいは彼らに対してその仕事が、組織の戦略面でポジティブな結果を生むのに役立つことを明確に説明する必要があります。彼らの仕事と組織レベルのイニシアチブとの関連性について明確な視点を従業員に与えることにより、確実に従業員エンゲージメントを高め、優秀な人材を維持することができるようになります。私たちはたいてい従業員に指示を与えることは得意で、さらに時には方法を示すこともできます。しかし、残念ながら日常の煩雑さに追われ、理由を伝えることを忘れてしまいがちです。実は、従業員をイニシアチブに参加させるためには後者の方が重要です。どんなに忙しくても忘れないように心がけましょう。