ダイバーシティ経営を支える便利なサービスの活用

筆者は、息子が3歳になるまでは、昭和の頃のモーレツ企業戦士時代にあったような「家庭を顧みず仕事に没頭する」スタイルではなく、「仕事を顧みず家庭に没頭する」ことを目指してきました。

仕事を顧みず家庭に没頭してきた3年間とこれから

 筆者は、息子が3歳になるまでは、昭和の頃のモーレツ企業戦士時代にあったような「家庭を顧みず仕事に没頭する」スタイルではなく、「仕事を顧みず家庭に没頭する」ことを目指してきました。
 幼いわが子にとって、父親と土日くらいしか顔を合わせる時間がないのはあまりに酷ですし、父親である筆者にとっても「パパともっと遊びたい、一緒にいたい」と思ってもらえる方が、人生においてより重要だと身をもって感じてきたからです。
 息子が3歳になったのを境に、それまではセーブしてきた遠方へも積極的に出張して、各地で「今度はどんなお土産を買って帰ればお気に召すかなぁ」などと考えるのもまた子を持つ親としての喜びのひとつです。

 そうした中で非情にもカツカツと足音を立ててやってくるのが、原稿や資料作成や企画書などの「締切」という追手です。プロとして差別化・高品質化された成果を出していかなければ、生き残れず淘汰されかねませんし、かといって、家庭をおろそかにしては家族の信頼と良き絆を深められません。
 そして、その締切や納期は自分や家族が病気や介護が必要なときにも、容赦なく迫ってくるのです。

 仕事と育児・家事・介護の関係性は、非常にデリケートなもので、多くの働く人たちにとって悩みの種となっていることでしょう。
 筆者はこれらが二律背反や「やるかやらないか」ではなく、「どうやっていくか」を見据えて一歩踏み出すことが大切だと考えています。

自分で背負いこまず任せられるところはどんどん任せる

 責任をもって仕事をすることはもちろん大切ですが、だからといって一人ですべて背負い込む必要はありません。過重労働で体調を崩したり、集中力を欠いて精度の低い仕事をしたりしては、それこそプロとして失格です。
 周りに無理なく任せられるところはどんどん任せ、外部サービスも活用してみるのもいいでしょう。
 以下に、ごくお手軽・お手頃なサービスを3テーマで3サービス(計9サービス)ご紹介します。

①調べものや予約、資料作成などのビジネスサービス
・オンライン秘書「Kaori-san」
 一般個人や企業単位でも、月数千円から調べものや病院の予約、資料作成などサポートしてくれるオンライン秘書サービス。
・プラチナカード付帯のコンシェルジュサービス
 会議室や出張手配をはじめ、お客様への贈り物なども24時間サポートしてくれる。(最近は年会費の安いカードもいくつかあります)
・AI(人工知能)でスケジュール調整代行サポートの「Amy」
 登録してCCにAmyのメルアドをいれてやりとりすれば、お互いのスケジュール等を調整してくれる。日本語版に期待。

②看護・看病や家事などのプライベートサービス
・「プライベート看護サービス」
 誰でも個人であなた専用看護師さんをスポットで依頼できるサービス。
 看護師さんならではの高い専門性で対応。
・「カジスルー」
 家事のあれやこれをお手頃にサポート。
 家事の負担を減らして仕事や育児や家族と向き合う時間の捻出に。
・イトーヨーカドーのネットスーパー
 会議の休憩時間にスマホからお買い物完了。あとは受け取るだけ。楽だし重いものも買いやすい。

③日々の雑務を解消するサポートサービス
・古くて新しい「便利屋」サービス
 高い天井の切れた電球の取り替え、庭木の剪定、幼稚園の願書で朝から並ぶ代行などまで様々サービス。
・経験豊富なシニア人材にサポートしてもらう「シルバー人材センター」
 手続きが少し面倒にも思えそうですがお手頃でシニアの活躍支援にも役立つ様々なサポートあり。
・有名な名刺管理サービス「Eight」
 名刺は頂戴して終わりではない。スマホひとつあれば入力・整理・管理・最新情報への更新などすぐできる便利サービス。

 仕事・育児・家事・介護などで、自分も家族もお互いに気兼ねなく寄り添い、向き合ってこなしていけるようご活用ください。そして、心身ともに健康を維持しながらダイバーシティ経営や家族内での調和が保たれればと筆者は願っております。

 予定通りこれまで全12回の連載となり、まだまだお伝えしたかったことやより詳細な情報など紙面の都合上からカットになった部分も多数ありますが、本連載が読者のみなさまに少しでもお役に立っていたなら、筆者として身に余る光栄です。
 またいつか経営プロの連載や寄稿などでみなさまにお目にかかれるのを心待ちにしております。ご愛読ありがとうございました。

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