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ダイバーシティ経営の基本・課題・副作用

第6回  多国籍化する職場での身近なダイバーシティ経営問題と対応の観点

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筆者がうっかりつぶやいた「固定観念」「偏見」と反省

筆者がうっかりつぶやいた「固定観念」「偏見」と反省

 筆者はダイバーシティ経営を進める上で、公私ともに多様化し、適応していくことに日々取り組んできたつもりでした。
 しかしつい先日、妻と息子と一緒にランチを食べにハンバーガー屋さんに出かけた際に、筆者は何気なく発した一言で自分の至らなさ痛感し、深く反省しました。
 それぞれ好きなメニューを頼み、妻はサラダがセットになっているものを選んだのですが、その時、「サラダが食べられると嬉しいよね」と言う妻に筆者は「サラダって女性が喜びそうなメニュー設定だよね~」と言ってしまいました。
 これに対して妻に何か言われたわけではありません。特に気にしている様子もなく、家族三人、楽しいランチの時間を過ごしました。しかし、筆者は内心、妻に対して申し訳ない気持ちでいっぱいで、自分の愚かさに打ちひしがれていました。

ダイバーシティ経営の弊害・支障は何気ない会話に巣食っている

 このような筆者の一言は、一般的な日本の職場仲間の会話では、違和感を抱かない方が普通かもしれません。
 しかし「サラダ=女性が好き」というのはあくまでイメージで、実際には筆者と異なりサラダが好きな男性もいれば、サラダが嫌いな女性もいるわけで、適切ではない発言でした。
 こうした何気なく繰り返される日々の問題発言と同根の、軽微で軽度な不適切な発言が繰り返される内に、やがて、組織文化や職場風土として、排他的(インクルージョンではなくエクスクルージョン)な状態が根付いてしまいかねないのです。

経営視点をもった現場主義の筆者が工場視察でふと違和感を抱いたこと……

 筆者は、経営指導・人材育成などに携わる際、状況が許す限り現場のありのままの状態を視察し、実際に指導対象となる方々の作業を同じ現場で体験させてもらいます。
 ある関東の製造工場の現場を視察した際、工場長から応接室で出前寿司のランチのお誘いがありました。筆者はできれば現場のいろんな面を視察したかったので、工場長のご配慮に感謝しつつも、「ランチを頂けるなら、ぜひ工場で働くみなさんと同じ社員食堂にして下さい」とお願いしました。
 作業服姿の工場のみなさんと一緒に列に並んでみたところ、話す言葉や肌の色やしぐさなどから、多国籍な職場環境にあるように見受けられました。
 そうした中、筆者が違和感を抱いたのは、透明なケースの中に並んだ社員食堂のメニューでした。

 A定食 「肉じゃが定食」(主菜+小皿2つ、ライス、味噌汁)
 B定食 「焼肉セット」(主菜+小皿2つ、ライス、味噌汁)

 違和感の原因は、なにも、2パターンしかない画一的なメニュー設定ではありません。日本各地の工場の社員食堂は、昼休みに効率的に多くの作業員が食事できるよう、また、食堂運営のコスト削減・効率化などから、このようなメニュー設定は少なくありません。
 筆者がダイバーシティ経営上で問題があると感じたのは、多国籍な職場環境と見受けられるのに、豚肉(関東では肉じゃがに豚肉を使うことが多いようです)と牛肉(焼肉セットに牛肉がありました)の2パターンしかないということでした。

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