長引くコロナ禍を受け、経産省が「事業者の実情に応じた資金繰り支援等の徹底」について関係機関に要請

経済産業省(以下、経産省)は2021年6月10日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により緊急事態宣言が延長されたことなどに伴い、関係機関に対して引き続き「資金繰り支援等の対応」を行うよう要請した(なお、6月21日より沖縄以外の7都道府県は「まん延防止等重点措置」に移行)。外出自粛や休業・時短の要請、イベント開催制限などによる事業者のさらなる影響をふまえ、事業者の業況や資金ニーズを積極的に把握した上で、引き続き迅速な対応を目指すという。

6つの要請により、さらなる迅速な資金繰り支援を目指す

経産省は、新型コロナウイルス感染症拡大をふまえた緊急事態宣言が再延長されたことなどから、2021年6月10日、一般社団法人 全国銀行協会など13機関に対し、以下の6点において支援を徹底するよう要請した。

(1)緊急事態宣言の再延長等に伴う事業者へのさらなる影響をふまえ、積極的な資金ニーズの確認や事業者からの資金繰り相談への対応など、きめ細やかな支援を引き続き徹底する

(2)中小企業のみならず、大企業・中堅企業も含めた事業所への影響をふまえ、最大限柔軟な資金繰り支援を行う

(3)当面年末まで期限延長された政府系金融機関による「実質無利子・無担保融資」や民間金融機関における「伴走支援型特別保証制度を活用した融資」、各種支援金等の支給までの間に必要となる資金なども含めた「新規融資」の積極的な実施に努める

また、政府系金融機関の資本性劣後ローンの積極的な実施・活用に加え、民間金融機関による同ローン等の実施に必要な事業計画の策定支援を積極的に行う

さらに、既往債務の条件変更について、返済期間・据置期間の長期延長等を積極的に提案するなど、実情に応じた長期での返済猶予等、最大限柔軟な対応を継続する

(4)こうした支援にあたり、官民金融機関等およびメイン・非メインが密に連携し、各事業者における直近の決算状況のみならず、事業の特性、需要の回復や各種補助施策の実施見込み等もふまえた、柔軟な資金繰りを行う

(5)貸し渋りや貸し剥がし、その誤解が生じるようなことは行わず、引き続き事業者の立場に沿った資金繰り支援を行う

(6)上記の資金繰り支援に加え、官民金融機関など各支援機関が連携し、経営改善・事業再生支援や事業再生・転換支援、資本性資金の供給、人材紹介や事業承継支援などの取り組みを積極的に促進する

今回の要請により、新型コロナの影響を受ける事業者の資金需要に対し、迅速に対応していきたいという。

緊急事態宣言が続く沖縄はもちろんのこと、解除された地域でも「まん延防止等重点措置」に移行しており、時短要請などで引き続き影響を受けている企業は多いだろう。今後もこうした支援を活用しながら、さらなる発展や存続に努めていきたい。