アサヒグループの3社が「定年後再雇用制度」の上限を70歳に。多様性や企業価値の向上を目指す

アサヒビール株式会社、アサヒ飲料株式会社、アサヒグループ食品株式会社の3社は2021年3月29日、60歳から定年後の65歳まで継続して働ける定年後再雇用制度「シニアスタッフ制度」の対象年齢を、最長70歳まで延長すると発表した。同年4月1日より施行している。同グループは、社員が活躍できる環境を整えることで、多様性のある組織風土を醸成し、企業価値の向上を目指すという。

「社員の能力を活かす制度」を実施

アサヒグループでは、「社員一人ひとりの個性や能力、適性を存分に生かすことが、新たな価値を創出し、企業の持続的な成長につながる」と考えてきた。このような考えのもと、これまでも60歳で定年した社員が「シニアスタッフ制度」を利用してフルタイムまたはパートタイムで65歳まで継続して働ける環境を提供してきたという。今回の改定で年齢の上限を更に延長し、一定の条件を満たした場合は70歳まで継続して働くことが可能になった(ただしフルタイムのみ)。

また、アサヒビール独自の制度として、これまでも定年後に再雇用された社員の独立や開業、再就職などの支援金を給付する「セカンドライフ支援制度」や、培ってきた業務遂行力や技術・ノウハウ発揮を促進することを目的とした「副業制度」を実施してきた。そのうちのひとつ、グループ内外の求人情報を提供する「ジョブマッチ支援制度」は、適用対象者を「定年前で58歳以上」の社員としてきたが、今回、定年後再雇用の社員にも対象を拡大することを決定。さらに、定年退職後に再雇用した社員が、心身ともにリフレッシュし新たな気持ちで仕事に臨めるよう、定年退職後から1年間有効であり、最大10日間取得できる「リセット休暇」を新設した。

これらの制度改定や新設により、年齢を問わず能力のある社員が活躍できる環境を整え、多様性のある組織風土を醸成して企業価値の向上を目指していくという。

現役で働ける能力があるにもかかわらず、定年を迎えたことにより退職してしまう社員もいるだろう。そのような社員が持つスキルや適性を生かしていけるよう、新たな雇用方法や制度を検討してみてはいかがだろうか。