中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)

デル テクノロジーズが日本で事業を展開するデル株式会社とEMCジャパン株式会社は、テレワークに関する調査結果を2020年7月29日に発表した。調査期間は2020年7月3日~7日。全国の中小企業(従業員1~99人)の経営者およびIT担当者1,072名から回答を得た。この結果から、2020年3月に実施した調査結果よりテレワークの導入率が増加していることや、IT関連事項の関心度は「BCP(事業継続性)対策」がトップであることが明らかとなった。

中小企業のテレワークの導入率は、2020年3月の調査時より23%増加

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う「外出自粛期間」を経て、企業のテレワークの状況はどのように変化しているのだろうか。はじめに、勤務先でのテレワークの導入率を尋ねた。その結果、「導入している」と回答したのは36%と、2020年の3月に実施した調査の13%から、23%増加していることが判明した。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)
また、前回調査と比べ、「導入しておらず、検討もしていない」との回答が73%から47.2%と約30%も減少しており、テレワーク導入への意向が高まっていることが明らかとなった。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)
「テレワークを導入する/した理由」を尋ねると、「働き方改革を推進」の回答が48.8%と約半数を占めた。続いて「ワークライフバランスの向上」が35.3%、「業務生産性の向上」が29.2%、「オフィスコストの削減」が24.7%と、オフィス以外で勤務することへのメリットを期待する結果になった。

一方、テレワークを導入しない理由を尋ねると、「業種として難しい」との回答が71.5%と、業種によりテレワークの導入が難しい状況も顕著に現れた。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)
「テレワークにおける総合的な満足度」を尋ねたところ、「満足」が23.1%、「やや満足」が55.6%と、合わせて78.7%がおおむね満足している結果に。「不満」(1.6%)や、「やや不満」(19.7%)の回答は約2割にとどまった。このことから、テレワークへの満足度は高い傾向にあることがわかる。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)

テレワークに関心を示さない企業が4割超、従業員数が少ない企業ほど関心度は低下傾向に

続いて、テレワークの導入意向を尋ねたところ、「既に導入済み」の回答は36%。「とても関心がある」は5.3%、「やや関心がある」は16%の回答となり、全体的にテレワークの導入は増加傾向にあるとわかった。一方で、「全く関心はない」との回答が24.7%、「あまり関心はない」が18%と、テレワークについて関心を示さない企業も約4割以上にのぼった。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)
また、従業員数別に見ると、従業員数が少ないほどテレワークへの関心度合が低下する傾向があることがわかった。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)

IT関連事項の関心度合いは「データのバックアップや災害対策などBCP対策」がトップ

勤務先での「IT関連事項の関心度合い」を尋ねると、最も関心の高い項目は「データのバックアップ/災害対策などBCP対策」で、「とても関心がある」が22.4%、「まあまあ関心がある」が45.8%と、合計68.2%にのぼることが明らかになった。

また、「ネットワークやセキュリティーの再設計/構築」についても、「とても関心がある」が18.8%、「まあまあ関心がある」が43.4%と、合計62.2%が関心を示す結果に。このことから、IT関連事項の関心は「テレワーク環境の整備」よりも、「データのバックアップや災害対策などBCP対策」に寄せられていることが判明した。
中小企業のテレワーク導入率が2020年3月調査時より増加、BCP対策にも強い関心を示す(デル テクノロジーズ調査)
新型コロナの影響によりテレワークの導入が進み、環境の整備はひと段落つき始めたフェーズといえるだろう。今後は従業員の「働き方」とともに、災害や感染症に備えた対策を整えていくことが課題となってくるようだ。