7割の企業が「新型コロナの影響は長期化する」と予想。経営層の「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加

株式会社エクサウィザーズは2020年7月3日、新型コロナウイルス感染症に関するアンケート結果を発表した。調査は6月12日に実施、自社が運営する「exaCommunity」に参加した企業141社、162名から回答を得た。4月と5月にも同様の調査を実施しており、今回の結果から、企業では新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すると見て、Afterコロナに備えた対策が拡大していることが明らかとなった。

2021年以降も「影響が続く」と回答した企業は前月より2割弱増加

はじめに、「新型コロナの業務への影響がいつ頃まで続くか」と尋ねると、「2021年6月まで」と回答した企業が29%と最多だった。次いで「2021年12月」との回答が26%、それ以下は「2022年12月」(9%)、「2024年以降も続く」(6%)、「2020年6月まで」・「影響なし」(2%)、「2023年12月」(1%)となっている。「2021年以降まで影響が続く」との回答が全体の72%にのぼっており、前月と比べて16%の増加がみられた。この結果から、新型コロナウイルス感染症の影響は「長期化する」と懸念する企業が増えていることがわかる。
7割の企業が「新型コロナの影響は長期化する」と予想。経営層の「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加

経営層はAfterコロナを見据えて何に取り組んでいるのか

続いて、経営層に対して「Afterコロナに向けて取り組んでいる(取り組もうと思っている)こと」を尋ねた。その結果、「DXプロジェクト開始、推進」が42%、「経営戦略の見直し・シナリオプランニング」が63%となった。前月と比べてどちらも増加傾向にあり、長期化を見据え、経営層の「DXプロジェクト」や「経営戦略見直し」の動きが加速しているのだろう。
7割の企業が「新型コロナの影響は長期化する」と予想。経営層の「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加

経営層は「内向きの変化」から「外に向けた変化」に移行傾向

次に、新型コロナウイルス感染症の影響により、「今後会社で変化が起こる領域」を尋ねた。経営層からの回答を見ると、「社内組織体制」は8%、「社内業務プロセス」は46%、「働き方」は79%と、社内の変化に対してはいずれも先月より低下傾向にある。一方で「ビジネスモデル」との回答は79%(前月比2%増)、「顧客行動の変化」が71%(前月比5%増)と増加傾向を示し、経営層は「社外の変化」に目を向けていることが明らかとなった。
7割の企業が「新型コロナの影響は長期化する」と予想。経営層の「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加

企業はWithコロナの「To Do」からAfterコロナの「To Be」へシフトチェンジ

「会社で実施されているコロナ対策」を尋ねると、「経営トップからのメッセージ」は77%と、前月より11%減少していた。また、「コロナ対策室の設置」も27%(前月比15%減)にとどまり、Withコロナの「To Do(短期的に取り組むべきタスク)」には、落ち着きが見られる結果に。一方、「Afterコロナ時代のビジョンを見据えた取り組み」は56%であり、前月と比べて6%増している。Afterコロナの「To Be(長期的にあるべき事業変革)」に尽力する企業が増えているといえる。
7割の企業が「新型コロナの影響は長期化する」と予想。経営層の「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加

業界によりAfterコロナに向けた取り組みにはギャップが発生

最後に、「Afterコロナに向けた取り組み」を尋ねた。最大6つとして選択した取り組みの数を業界別に見ると、5つ以上に取り組んでいる企業は、「製造業」で23%(前月比12%増)、「情報・通信」で26%(前月比19%増)に。これらの業界では、Afterコロナに向けた取り組みが進んでいることが明らかとなった。

しかし、「サービス業」では5つ以上の取り組みを行う企業は9%(前月比1%減)にとどまった。いまだ26%の企業が0~1の取り組みのみであり、Afterコロナに向けた取り組みは、業種によってギャップが生じていることが明らかになった。

Afterコロナを見据えて、さまざまな企業で「DX推進」や「経営戦略の見直し」を進めていることが明らかとなった。自社が直面している課題を的確に捉え、今後の方向性を検証していく姿勢が引き続き求められるだろう。
7割の企業が「新型コロナの影響は長期化する」と予想。経営層の「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加