アサヒグループが経営基盤強化へ、サステナビリティ推進のため基本方針・ビジョンを策定

アサヒグループホールディングス株式会社は2020年7月6日、アサヒグループ全体で持続可能な経営に向けたさらなる取り組みをおこなうとし、新たな基本方針・ビジョンを策定。併せてマテリアリティ(重要課題)と推進体制の見直しを発表した。これにより、ビジネスモデル、成長戦略、事業活動の全てにおいて基盤を強化し、企業の持続可能性をより意識していくという。

サステナビリティ推進のため、基本方針とビジョンを新規策定

アサヒグループが新たに策定したサステナビリティ基本方針は、「グループ内の商品やサービスは、自然の恵みを使い、それを後世につなぐために自然を守ること」、「自社商品・サービスを通じたよりよい生活文化継承のため、持続可能な社会を形成すること」の2つだ。

また、基本方針に沿い、経営戦略に「環境」、「人」、「コミュニティ」、「健康」、「責任ある飲酒」を組み込んだ。これにより、事業を展開する全地域で、将来に向けたさらなる価値を創り出していく。また、この取り組みを通して国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に貢献し、挑戦と革新を続けていくとのことだ。

アサヒグループでは、グループ理念に「全てのステークホルダーとの共創による企業価値向上」を、中期経営方針には「ESGへの取り組みの深化」を掲げている。サステナビリティに取り組む重要性や目指す姿を明確にすることで、グループ・グローバルでのサステナビリティ推進を加速させ、グループ理念や中期経営方針の実現をはかりたい考えだ。

方針やビジョン設定にともない、マテリアリティ(重要課題)も再設定

基本方針とビジョンに合わせて、マテリアリティに「コミュニティ」、「健康」を追加し再定義。そのうち「環境」、「責任ある飲酒」においては新たに目標やスローガンを策定した。
アサヒグループが経営基盤強化へ、サステナビリティ推進のため基本方針・ビジョンを策定
また、マテリアリティに基づくKPI(重要業績評価指標)を具体的な数値として開示することを決定。例えば、「アサヒグループ環境ビジョン2050」内で、気候変動に関する中長期目標「アサヒカーボンゼロ」において、国内事業では2030年に2015年比でCO2排出量を30%削減することを目指している。また、欧州・豪州にある事業企業でも、それぞれKPIを設定した。これにより、SDGsの達成に貢献していきたいとしている。

委員会設置で、サステナビリティと経営の完全な統治を目指す

新たな方針やビジョンの設定とともに、グループのサステナビリティ推進体制を整えるため、「グローバルサステナビリティ委員会」を設置。サステナビリティ推進体制をコーポレートガバナンスに組み込むことで、グループとグローバルでのサステナビリティ推進を加速していく考えだ。

昨今、環境問題などが問題視されるなか、企業における環境保護や社会貢献の活動が増えている。こうした状況を受け、企業経営には今後さらにサステナビリティを意識した活動が求められるだろう。