後継者教育を実施する企業と候補者人材のマッチングをおこなう「事業承継トライアル実証事業」、企業からの申請期間を延長

事業承継トライアル事務局は2020年6月、中小企業庁の令和元年度補正予算案「事業系用トライアル実証事業」について、去る5月29日までとしていた後継者教育実施企業の申請受付期間を、同年8月31日まで延長すると発表した。あわせて、後継者教育実施企業に経営者候補として入社を希望する人材を、2020年6月2日~9月11日の期間で募集する。本事業のWEBサイトも開設し、後継者の人材育成と円滑な事業継承を実現していく構えだ。

中小企業の喫緊の課題である「事業継承」を、マッチングと育成でサポート

中小企業庁の調べによると、中小企業・小規模事業者の経営者のうち、2025年までに平均引退年齢の70歳を超える人は約245万人にのぼるという。その中で、半数近くの127万人が後継者「未定」になると推測される。今後もし廃業が急増すると、2025年までの10年間で、累計約650万人の雇用と約22兆円のGDPが損失する可能性があると見られ、事業継承には早急な対応が必要だと考えられている。

事業承継における課題を解決するため、中小企業庁とデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社が中心となって進めているのが、「事業承継トライアル実証事業」だ。「後継者不在の中小企業者」と「事業承継の意向を有する経営者候補人材(後継候補者)」をマッチングすることで、候補者の育成と円滑な事業承継を目指す。具体的には、経営者としての知識や技術を磨いていけるよう、各企業が持つ技術などの習得に加え、事務局のメンターによる定期的な企業訪問、個別カウンセリングなどを行っていく。

事業の後継候補者が見つからずに頭を悩ませる経営者が、本事業のようなサポートを活用することで、スムーズな解決策が見つかるかもしれない。申請受付終了までまだしばらく時間があるので、検討してみてはいかがだろうか。