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【社長の年金】第6回 社長業を続けると年金がカットされる仕組みとは(60歳台後半編)

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前回は「社長業を続けると年金がカットされる仕組みとは(60歳台前半編)」と題し、法人の代表者の年齢が“60歳台前半”の場合の「在職老齢年金」について解説した。それに引き続き今回は、法人の代表者の年齢が“60歳台後半”の場合の年金調整のルールを見てみよう。

65歳以上の年金カットの基準額は「47万円」(平成31年度)に

“60歳台前半”の在職老齢年金では、「年金」、「役員報酬」、「役員賞与」のそれぞれについて、一定のルールに基づいて“1ヵ月分に相当する金額”を算出し、それらの和が「28万円」を超えると、超えた金額の半分に当たる額が1ヵ月分の年金から差し引かれるというルールを紹介した。

“60歳台後半”の場合も基本的なルールは変わらないのだが、“60歳台前半”とは年金カットの基準額が異なってくる。

具体的には、平成31年度の場合、「年金」、「役員報酬」、「役員賞与」のそれぞれの“1ヵ月分に相当する金額”の和が「47万円」(平成30年度は「46万円」)を超えると、超えた金額の半分に当たる額が1ヵ月分の年金から差し引かれることになる。

平成31年度のケースを例にとり、具体例で見てみよう。仮に「年金」、「役員報酬」、「役員賞与」のそれぞれの“1ヵ月分に相当する額”が次のとおりだとする。

(1)「年金」の1ヵ月分に相当する額…20万円
(2)「役員報酬」の1ヵ月分に相当する額…30万円
(3)「役員賞与」の1ヵ月分に相当する額…15万円

上記(1)から(3)の金額を足すと、20万円+30万円+15万円で65万円になる。この金額は60歳台後半の年金カットの基準額である47万円を18万円オーバー(=65万円-47万円)している。

オーバーした金額の半分に当たる9万円(=18万円÷2)が1ヵ月の年金から差し引かれることになるので、実際に受け取れる年金額は20万円-9万円で11万円となる。

65歳から受け取りやすくなる老齢厚生年金

もしも、これが“60歳台前半”の社長だったならば、どうだろうか。“60歳台前半”の場合には「28万円」を基準額として計算するので、(1)から(3)の金額を足した65万円は基準額を37万円オーバー(=65万円-28万円)することになる。

オーバーした金額の半分に当たる18万5千円(=37万円÷2)が1ヵ月の年金から差し引かれるので、実際に受け取れる年金額は20万円-18万5千円で1万5千円となる。

よって、同じ条件で社長業を続けていても、“65歳台前半”であれば1ヵ月当たり1万5千円しか受け取れない年金が、“65歳台後半”であれば11万円を受け取れることになる。

つまり、65歳前後で報酬額等に変更がなくても、“65歳台後半”になると年金カットの基準額が変わることにより、年金がカットされづらくなるわけだ。

さらに言えば、65歳は年金額を再計算する年齢でもある。たとえば、61歳で老齢厚生年金をもらえるようになった社長の場合、61歳から65歳になる前までの厚生年金の保険料納付実績を加味して65歳からの年金額が決め直され、その結果、年金額が増えることになる。

以上の理由から、同じように社長業を続けていても、65歳を境に老齢厚生年金の受取額が増えるケースが多くなる。

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