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大企業の2割が新たなイノベーション拠点「出島」を設置。「イノベーションを起こすための工夫に関する企業アンケート」結果より

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公益財団法人日本生産性本部は、日本企業、こと大企業においてイノベーションが起こりにくいと問題意識を持っており、その阻害要因を明らかにするため、2018年8月から9月にかけて「イノベーションを起こすための工夫に関するアンケート調査」を実施している。この結果をまとめたレポートが、同年12月に発表されたので、内容を抜粋して紹介する。

調査対象は、上場企業および資本金3億円以上の非上場企業5,085社で、記述式のアンケートを郵送して行われている。有効回答社数は238社。

「出島」とは、イノベーションを起こすため、通常のビジネスとは独立した形で運営されるイノベーション拠点のことである。これを設置しているか聞いている。

■「出島」の設置状況

・設置している……22.7%
・設置していない……76.9%
・不明……0.4%

結果は「設置している」が22.7%(54社)であった。この出島設置企業54社に、出島の設置時期を尋ねると、13社(24.1%)が2017年に設置していることから、企業の出島設置は近年の傾向であると言える。

なお出島の設置場所は、半数が「社内」、4割弱が「国内で社外」と国内が中心。また出島を設置する際に特に工夫したことを尋ねると、「人材の選定」、「独立性の確保・維持」、「オープンイノベーションの実施」が上位を占めた。

■「日本企業は破壊的イノベーションを起こしにくい」との考えへの賛否

・そう思う……66.0%
・そうは思わない……18.1%
・分からない……14.7%
・不明……1.3%

全体の約7割(157社)は「日本企業は破壊的イノベーションを起こしにくい」との考えに同意する意向を示した。

それらの企業に「日本企業の破壊的なイノベーションを阻害している要因」を尋ねると、「イノベーションのリスクを取ることに消極的な経営」との回答が圧倒的に多く、7割近くを占めた。

■イノベーションの環境づくりとして実施している施策(複数回答。上位3位まで記載)

1位:特別な才能を持った人の中途採用……60.5%
2位:大学や研究機関との連携やオープンイノベーション……52.5%
3位:他企業との連携やオープンイノベーション……51.7%

「特別な才能を持った人の中途採用」との回答が約6割を占めて最多。これに次ぐ「大学や研究機関との連携やオープンイノベーション」、「他企業との連携やオープンイノベーション」との回答も、それぞれ5割以上であった。

■イノベーションを期待できる人材の「社外からの獲得手段」で“特に効果が大きいと予想される”施策(複数回答。上位3位まで記載)

1位:ベンチャー等の他企業との兼業……33.6%
2位:M&A……31.1%
3位:大学や研究機関との兼業……20.6%

▼同じく「社外からの獲得手段」で“実施している”施策(複数回答。上位3位まで記載)

1位:取引先や銀行からの紹介……31.9%
2位:いったん退職してキャリアを積んだ人の再雇用……26.9%
3位:M&A……21.4%

イノベーションを起こすことが期待できる人材の社外からの獲得手段として、「ベンチャー等の他企業との兼務」、「M&A」、「大学や研究機関との兼務」などの効果が高いと認識しているものの、実施率は低い状況にあることが分かった。

本アンケート調査結果について、伊佐 山元 WiL 共同創業者CEOは次のように述べている。

「ある程度試行錯誤が許容される出島での失敗はイノベーションの起点となる有用な経験。画期的イノベーションを起こせる人材の育成と同時に、受け入れ側の管理職以上の意識改革も必要」

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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