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「人手不足倒産」の動向調査(2018年度上半期)結果発表 通期で最多となった前年度件数を上回る勢い

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帝国データバンクは2018年10月、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことなどを要因とする倒産(個人事業主含む、負債1,000万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と定義し、比較可能な2013年度上半期~2018年度上半期の5年半で発生した倒産を集計・分析した。

【人手不足倒産の件数】
(※上半期=4〜9月、下半期=10〜3月)

・2013年 <上半期:20件><下半期:25件>
・2014年 <上半期:40件><下半期:25件>
・2015年 <上半期:35件><下半期:33件>
・2016年 <上半期:32件><下半期:47件>
・2017年 <上半期:54件><下半期:60件>
・2018年 <上半期:76件>

2018年度上半期の「人手不足倒産」は76件発生し、負債総額は110億4,200万円にのぼった。件数は前年同期比40.7%の大幅増となり、2年連続で前年同期を上回った。調査開始以降、半期ベースの最多を更新し、年度通期で初めて100件を超えた2017年度(114件)を上回るペースで発生している。

▼負債規模別件数を見ると、2018年度上半期は「1億円未満」が45件発生と、前年同期(22件)に比べ、2倍に増加した。

▼業種別件数を見ると、2018年度上半期は、「サービス業」が前年同期比73.3%の増加で、最多の26件を占めた。また、「運輸・通信業」(17件)は半期ベースで初めて2ケタ件数の発生となるなど、7業種中4業種(建設業、卸売業、運輸・通信業、サービス業)が前年同期を上回った。

▼業種細分類別の5年半累計件数を見ると、「道路貨物運送」が38件(2018年度上半期12件、前年同期4件)で最多となった。景気回復や通販市場の拡大で配送需要が高まる中、ドライバー不足による新規受注難から資金繰りの悪化を招き、倒産に至ったケースが目立つ。以下、「老人福祉事業」が27件、「木造建築工事」が26件、「労働者派遣」が21件と続いている。

▼都道府県別の5年半累計件数を見ると、「東京都」が62件、(2018年度上半期13件、前年同期5件)と突出している。以下、福岡県の34件(2018年度上半期9件、前年同期2件)、「大阪府」(2018年度上半期6件、前年同期3件)と続いた。

――2018年10月から最低賃金(時給)が全国平均で26円引き上げられた。最も高い東京都では985円と、この10年間で194円上昇し、都市部では時給1,000円での求人も当たり前となりつつある。人件費以外にも、企業を取り巻く環境は輸送費や原材料価格の高騰など、経営コストの上昇圧力が強く、小規模ほど厳しい。

深刻な人手不足への対処で賃上げせざるを得ない企業が増える中、高待遇での従業員確保が困難な小規模企業を中心に「人手不足倒産」のさらなる増加が懸念される。

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