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うつ病から復職してきた部下に関するQ&A

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うつ病から復職してきた社員の対応に関しては、さまざまなことで悩むことがあるだろう。今回は、実際に相談を受けたケースをもとに、その対応方法を紹介していきたい。

「Aさんはうつ病との診断で半年間休職していましたが、3ヶ月前から復職し、当面、残業禁止との産業医の指示を受けています。ところがAさんは最近、17時の終業時間から1時間程度ではありますが、会社に残って仕事をしています。最近気づいたのですが、昼休みは、一人で目立たないところで昼寝しているようです」

このような相談を持ち込んだのは、上司であるB課長。仕事はたくさんあるため、Aさんが仕事をしているのは助かると感じているものの、張り切りすぎてまた体調を崩してしまうのではないかと心配している。このような時、B課長は上司としてどのように対応すればよいだろうか?

Aさんは、復職して休んでいたことに対する負い目があり、早く本格的に仕事に復帰したいのかもしれない。B課長は、そのように張り切っている本人に対し「早く帰りなさい」というのも、かえってストレスを与えるかも知れないと考えていたようだ。しかしながら、うつをはじめとする、メンタル不調者の方への対応で一番大切なのが、「服薬を医師の指示通り続けること」と「仕事をさせ過ぎないこと」である。

このような時おすすめの方法としては、B課長はAさんに、例えば終業時間間近に、「そろそろ今日の報告して。その後、片づけて帰るように」と声をかけてあげること。もしくは「お疲れ様。そろそろ時間だね」などと声をかけてあげればよい。そうすれば、Aさんが自ら帰りやすい雰囲気が生まれるだろう。また他の同僚にも協力を求め、職場全体として帰りやすい雰囲気を作ることも有効である。

服薬に関しては、上司が服薬を勧めるという考えではなく、上司が服薬に対して否定的な言動や態度をとらないことが重要だ。いずれにせよ、本人には会社と医師の指示を守ることを徹底してもらう。また、周囲には配慮を求めつつ、Aさんの代わりに頑張っているメンバーへの気配りも忘れないうようにしたい。

では、次の場合はどうだろうか。

「部下がうつ病から復職してきました。私の会社は、昔ながらの“飲みニケーション”が盛んな職場です。上司や同僚は、せっかく戻ってきたのだから歓迎会をしなければ、と考えているようですが…。」

これはつまり、うつ病から復職してきた社員を飲み会に誘ってよいのかどうか、というケースだが、このような時、どう対応すればいいのだろうか?

うつ病をはじめとする、メンタル疾患の治療では薬が使われることが多い。薬とアルコールの併用が駄目なことは、何もメンタル疾患の薬に限ったことではない。風邪薬でも「アルコールとの併用はダメ」と医師から言われたことがあるだろう。アルコールと薬を併用すると、効果が倍増したり、半減したり、意図しない効果になってしまう恐れがあるのだ。

では、ノンアルコールのビールやサワーならよいのか、ということだが、理論上は、薬との併用が可能である。とはいえ、その飲み会において、一人だけ酔っていないという状況が本人に負担を感じさせないか、また、飲み会を開くことで勤務時間外を拘束することになるので、疲労を蓄積させてしまわないか、という点でも検討が必要である。

このような時おすすめの方法は、飲み会ではなく、ランチミーティングを開くことだ。ランチだとアルコールの心配もなく、時間的にも制約があるため、不要に長引く恐れもない。そのようにして本人のプレッシャーにならない範囲で、「戻ってきてくれてうれしい」という気持ちを伝えるのがよいだろう。

いずれにせよ大切なのは、復職を果たした本人が「職場で役に立っている」という自覚を持てるようにすることである。うつ病などからの復職者は、罪悪感や「自分が役に立っていないのでは?」という感覚と戦っている。受け入れ側も過度に気を遣い過ぎないのが、本人にとってちょうどよいのである。


koCoro健康経営株式会社 代表取締役
Office CPSR 臨床心理士・社会保険労務士事務所 代 表
一般社団法人 ウエルフルジャパン 理 事
産業能率大学兼任講師
植田 健太

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プロフィール

 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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