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それ、ハラスメントになっていませんか?

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セクハラ、パワハラ、マタハラ(マタニティハラスメント)など、職場でのハラスメント対策は重要な経営課題である。というのも、ハラスメント問題は、従業員がイキイキと働く環境を阻害するだけではなく、訴訟というリスクもはらんでいるからである。

ハラスメントを防止するには、専門の相談窓口を設置するのはもちろん、予防研修を行うのが効果的である。またこれまでの防止策の実績をいつでも主張できるよう記録をまとめておくことも大切である。

個人に対しては、いつも記録を付けることをアドバイスしたい。具体的には、PCのデスクトップにエクセルを作っておき、その中に「日時」、「相手の言動・行動」、「その時感じたこと」という項目を作っておき、ハラスメントと感じた時に記録を日々付けるのだ。記録を付けることによって、気持ちの整理ができることはもちろん、いざ会社に訴え出るときの証拠にもなる。

会社としては、訴えを受けた時にすぐに事実関係を確認し、対処することが大切である。そのためのアクションプランを事前に作成しておき、少なくとも管理職間では浸透させておくのがよい。

ここで、労働者相談窓口に最も多く寄せられる相談、パワーハラスメント(パワハラ)について考えてみよう。厚生労働省ではパワハラを次のように定義している。

「同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」

自身が教育するつもりで良かれと思ってやっていたとしても、受け手が不快に感じたり、ダメージを受けたりすれば、それをパワハラとみなされてしまうことがあるため、注意が必要である。以下、具体的な例を挙げてみる。

・問題の原因を個人に帰属させる
(「お前の性格ならこの仕事は無理だ」、「女(あるいは男)なのに」「○○出身なので」等)
・周りに人がいる状態で、強くまたは大声で叱責する
・書類などで頭をはたく(たとえ軽くであってもいけない)
・うっかり舌打ちをする
・「どうしてわからないかなぁ」など、自分の気持ちを小言にしてしまう

これらは、知らず知らずにパワハラになる可能性を含んでいる。もしかすると、自分も気づかないうちにやっていた、ということがあるかもしれない。ぜひ振り返ってみてほしい。

逆を言えば、上記を避け、次のようにすると、ある程度リスクヘッジができるということだ。

・問題の原因は個人に帰属させない
(多くの場合は行動に帰属させる)(「あのクライアントと面談しているときの、うなずき方がもうヒト工夫あるといいね」等)
・指導するときは、個室などでゆっくりと個人のプライドが傷つかないように指導する

いずれにせよ、普段から風通しの良いコミュニケーションを図っておくとともに、管理監督者がハラスメント対策の知識やスキルを習得しておくことが大切である。

職場でパワハラを減らす一番の方法は、経営者や管理職が、職場内で上記のような行為を見かけたら、職責に関係なく注意し合うことである。それによって、本人では気づけない行動に気づくことができるし、全社的にパワハラは許さない、という雰囲気づくりもできる。

とはいっても、なかなか初めは、管理職同士もしくは管理職から経営者へは、注意しにくいものだ。したがって、経営者自身が自ら模範となって注意することが何より重要である。そうすれば、パワハラのない明るい働きやすい職場を作ることができるだろう。パワハラのない職場は、「頑張る人が、より頑張れる環境作り」の一つであることを忘れてはならない。


koCoro健康経営株式会社 代表取締役
Office CPSR 臨床心理士・社会保険労務士事務所 代 表
一般社団法人 ウエルフルジャパン 理 事
産業能率大学兼任講師
植田 健太

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プロフィール

 経営プロ編集部

経営プロ編集部

経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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