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中小企業のおよそ4分の1が「働き方改革法案」の残業時間上限に抵触のおそれあり。 残業削減の取り組みについての満足度は、経営者と従業員で40pt差

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株式会社あしたのチームは、2018年5月、従業員数10名以上300名未満の会社の経営者および従業員、男女20歳~69歳を対象に、企業の残業削減に関する調査を実施し、結果を発表した。(有効回答数:200人 会社経営者:100名、従業員:100名)

まずは残業の実態を調べるため、経営者に対し、「あなたの会社にお勤めの従業員は、残業をしていますか」と問うと、「恒常的にしている」が28.0%、「時々している」が45.0%。合わせて73.0%。

従業員に対し、「あなたはお勤めの会社で、残業をしていますか」と問うと、「恒常的にしている」が31.0%、「時々している」が42.0%。合わせてこちらも73.0%。

経営者と従業員で残業をしているとの回答割合に大きな差は見られなかったが、7割以上の企業で残業をしていることがわかった。

次に、残業を「恒常的にしている」「時々している」と回答した従業員に対し、「月の平均的な残業時間」を尋ねた。

すると、「30時間~40時間未満」が9.6%、「40時間~50時間未満」が6.8%、「60時間以上」が6.8%。「月平均30時間以上」の回答割合は、合わせて23.2%という結果。

現在国会審議中の「働き方改革法案」では、残業時間の上限を「月45時間以内、年360時間以内」としているが、中小企業の4分の1近くが、この基準に抵触するおそれのあることが明らかとなった。

次に、残業削減の取り組みの有無を調べるため、経営者、従業員それぞれに、「あなたの会社では残業を削減する為に、何か取り組みを行っていますか」と問うと、経営者の「取り組みを行っている」の割合が43.0%であったのに対し、従業員では34.0%と、9.0ポイントの乖離があった。

また、「残業削減の取り組みを行っている」と回答した経営者と従業員に、取り組みについて「従業員の満足度」を問うと、経営者は「満足していると思う」30.2%、「やや満足していると思う」55.8%を合わせて「満足していると思う」の割合が86.0%。

これに対し従業員は「満足している」5.9%、「やや満足している」38.2%で「満足している」の割合は合わせて44.1%となり、経営者と従業員で「満足している」と感じる割合に、40ポイント以上の大きな差があることがわかった。

さらに、「残業削減の取り組みを行っている」と回答した従業員に、「残業削減の取り組みにより、収入に変化はありましたか」と問うと、最も回答が多かったのは、「収入は変わらない」の58.8%であったが、「収入が減った」という人が29.4%と約3割にものぼった。

最後に、直近の業績(予想含む)別に、残業削減の取り組みをしているか尋ねた。

その結果、「増益(増益予想)」と回答した企業の60.5%が、「取り組みを行っている」と回答。「横ばい(横ばい予想)」と回答した企業では33.6%、また「減益(減益予想)」と回答した企業では28.6%。このことから、増益企業ほど残業削減に積極的に取り組んでいることがわかる。

残業削減の取り組みにより業務効率を改善して生産性が上がっているにも関わらず、単純に残業代がないために収入が減ってしまっているとしたら、正当な評価とは言い難い。残業削減と生産性向上を前提とした人事評価制度構築は、その対応が遅れると、従業員エンゲージメントの低下を招く恐れもある。残業削減に取り組むと同時に、実態に合った人事評価制度の見直しが求められているようだ。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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