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68%のミドルが「転職後にギャップがあった」と回答。入社前の情報収集がギャップ軽減の鍵

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転職における収入の考え方は年収1,000万円前後で変化

一方、転職後のギャップに関する、収入についての考え方だが、これは年収1,000万円を超えているか否かによって変化するようだ。再び冒頭のエン・ジャパンの調査結果を見ると、転職前の期待を下回っていたポイントについて「給与・年収」と回答した割合は、年収1,000万円未満では先述のとおり34%となっているが、年収1,000万円以上では12%にとどまっている。この差は、転職に期待することが年収によって異なるために生じていると考えられる。

ミドルが転職に期待することについては、同社が2018年2月に行った、ミドルの転職のきっかけ・理由についての調査が明らかにしている。この調査の結果を見ると、年収1,000万円未満の層は、年収1,000万円以上の層と比べて、転職による収入アップを重視する傾向にあることがわかる。

たとえば、転職で実現したいことについて、「給与・待遇のアップ」と回答した割合は、年収1,000万円未満では48%だったのに対し、年収1,000万円以上では26%となっている。また、転職を考えたきっかけ・理由についても、「給与に不満がある」と回答した割合は、年収1,000万円未満で29%、年収1,000万円以上で8%と、年収によって大きく差が開いた。

転職による収入アップへの期待度合いが高いと、その分、実際に思ったような給与アップが実現できなかった場合に、「期待外れだった」と感じやすくなるだろう。転職による収入アップを重視する傾向にある年収1,000万円未満のミドルは、そうした「収入の期待外れ」を感じやすい傾向にあるのではないだろうか。

年収1,000万円以上の層は、年収1,000万円未満の層と比べ、転職によってより自分の能力を発揮できるようになることに重きを置いている人が多いようだ。たとえば、転職で実現したいことについて、「経験・能力が活かせるポジションへの転職」と回答した割合は、年収1,000万円以上で77%、年収1,000万円未満で63%となっている。

さらに、転職を考えたきっかけ・理由についても、「自分の能力を試したいから」と回答した割合は、年収1,000万円以上で29%、年収1,000万円未満で21%だった。

転職において、自分の能力をより発揮できるようになることを重視した場合、もしその希望が実現すれば、たとえ転職後に収入が上がらなかったとしても、収入に対して不満を抱くことは少ない可能性がある。したがって、年収1,000万円以上のミドルは、転職に収入アップ以外のものを求めている分、「収入の期待外れ」も感じにくくなると考えられるだろう。

入社前に社風や社員のクオリティの情報を把握することでギャップを軽減

転職後のギャップを軽減するためのもっとも重要な対策のひとつが、入社前の情報収集だ。エン・ジャパン株式会社が2017年に行った調査によると、転職コンサルタントの59%が、転職者が転職後にギャップを感じる原因として「入社前の情報収集不足」を挙げている。

具体的に把握しておきたい情報としては、「風土・社風」(70%)、「一緒に働く上司・部下・同僚の情報」(68%)といった回答が多数を占めた。

社風や社員の状況といった情報は、企業のウェブサイトや求人票にはほとんど掲載されておらず、面接の場でも把握しきれないことが多い。転職エージェントを活用したり、転職希望先で実際に働く社員に複数回会う機会を設けたりするなど、より多くの情報を積極的に収集していくことが重要になる。

収入や社員のクオリティなど、転職後のギャップは少なからず生じるものだが、情報収集によってそのギャップを軽減することは可能だ。転職市場においては、ミドルはもちろん、その他の年齢層においても、入社後に自身が置かれる状況をより具体的にイメージできるような情報収集が求められる。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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