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サイコパスへの知見を深めよう

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「サイコパス」という言葉を耳にすることが多くなった。もともとは、連続殺人犯などの反社会的な人格を説明するための「psychopathy」から派生した概念であるが、日本語ではこれまで、「精神病質」と訳されてきた。しかしながら、アメリカにおける精神医学の診断基準DMS-5では、サイコパスという記載はなく、「反社会性パーソナリティ障害」という診断基準となっている。これまでも凶悪事件が起こる度サイコパスという言葉が注目されてきたが、彼らは必ずしも犯罪者ばかりでなく、我々の身の回りに日常的に存在しているものだ。その特徴や存在を理解しておくことは、日常生活はもちろん仕事上において不可欠なのかもしれない。

サイコパスとは

まずサイコパスが、具体的にどういう症状を示すかを説明しよう。サイコパスの特徴は、「ありえない嘘をついても平然としている。残虐な殺人を犯しても、全く反省することがない。口達者で社交的なため、面白くて魅力的に見える。性的に奔放で、色恋沙汰が絶えない。過去の言動を平気で主張する。自分の非を認めようとせず、何か問題が発生すると他人のせいにする。」等々。このように、常人では理解できない言動が多い。簡略化すれば、①極端な冷酷さ、②無慈悲、③エゴイズム、④感情の欠如、⑤良心の欠如、⑥罪悪感の欠如、⑦後悔の欠如、だろうか。

これらはまだ広く知られていないため、問題が起こると、個人攻撃になることが多いが、最近では脳科学の進歩で、サイコパスは脳内の器質のうち、他人に対する共感性や痛みといった感情の処理に対し、重要な偏桃体の働きが弱いことなどが明らかになっている。またサイコパスは、冷徹で残虐な殺人犯ばかりではないことも明らかになっている。企業経営者や高級官僚、弁護士や医者など、時に大胆な決断を下さなければならない職業の人たちに多いという調査結果もあるようだ。

サイコパスは身の回りにも

では、我々が暮らす日常にサイコパスはどれくらいいるのか?有名なカナダの犯罪心理学者ロバート・ヘアによれば、男性では全人口の0.75%だとされている。アメリカの心理学者マーサ・スタウトによれば、アメリカの全人口の4%にものぼる、とされている。仮に、人口の1%だとすれば、日本には100万人以上のサイコパスがいることになる。

さらに、サイコパスは白黒つけられるものではなく、その症状がグレーゾーン的に広がりをもって存在していることもわかっている。従って、一般人からすると一瞥して判断できるものではなく、身近な日常に紛れ込んでいるかもしれないのである。数百人の従業員を抱える会社であれば、数人のサイコパスが存在している可能性が高い。少なくとも、一定の割合でサイコパスが存在しているわけだから、その特徴を理解しておかないと、ときに、犯罪者や悪人として表出するサイコパスに、一方の当事者として煮え湯を飲まされることになる。

グレーゾーンのサイコパスであっても、そのような上司のいる会社の場合、部下の離職率、精神疾患の発症、モチベーションの低下が際立っていることも報告されており、ほぼ間違いなく何らかのハラスメント行為に及ぶと言われている。

会社によっては、その社会的損失が莫大ともなり得ることから、サイコパスを早期に見つけ、彼らを責任ある地位に就かせないようにする試みも広がっているようだ。もちろん、すべてのサイコパスが悪人であるわけではないので、迂闊にレッテルを貼ることは厳に慎まなければならないが。

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