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90%のミドルが「リカレント教育を受けたい」と回答 増加する「まなミドル」に注目

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働き方改革や支援制度の拡充でリカレント教育の障壁解消に期待、「まなミドル」の増加へ

冒頭の調査では、リカレント教育を受けるうえでの課題についても質問している。ミドルのリカレント教育を妨げる要因として挙げられているのは、1位が「学費や受講料の負担が大きい」(73%)、2位が「勤務時間が長くて十分な時間がない」(48%)だった。しかし、この2つの障壁については、今後解消されることも期待されている。

1位の費用負担については、近年、政府による経済的支援が充実してきている。そのひとつが、専門実践教育訓練給付金の拡充だ。これは、厚生労働大臣が「専門実践教育訓練」に指定したプログラムを受講する際、企業の利用負担がなくとも、個人として利用できる制度。

この制度では、在職者、または離職後1年以内(出産・育児などで対象期間が延長された場合は最大4年以内)の者が、指定プログラムによる教育訓練を受ける場合に、ハローワークから、訓練費用の一定割合が支給される。さらに、指定プログラムによる教育訓練修了後1年以内に、目標として設定した資格を取得し、雇用保険の被保険者となる就職をすると、給付金が上乗せされて再計算され、既支給分の差額が支給される。

同給付金は、2018年1月から拡充された。その際、支給割合が教育訓練経費の40%から50%になり、年間上限額も32万円から40万円に変更されている。この拡充により、資格取得後に再計算される給付金の額は、教育訓練経費の70%(年間上限56万円)になった。つまり、資格を取得すれば、教育訓練の費用負担を30%に抑えられ、大幅な負担減を実現できるようになったということだ。

また、リカレント教育を妨げる要因2位の、「勤務時間が長くて十分な時間がない」という課題に対しても、2016年から始まっている働き方改革の流れで、改善に希望が持てる。長時間労働が是正されてゆけば、次第に休日だけでなく、平日の勤務時間後などにも、学ぶ機会を得られるようになるだろう。

こうした現状を受け、株式会社リクルートは、社会人学習領域における2018年のトレンド予測として、学習による成長機会を求める「まなミドル」の増加を上げている。同社によると、ミドルが学習機会を求める要因は2つ。

1つ目は、将来・定年後の備えだ。退職後の資金に不安に加え、定年後も働き続けようとした場合に仕事口があるのか、どういった仕事に就けるのか、といったことに対する不安を解消したいという思いが、今ミドルを学習に向かわせている。

2つ目は、現状に対する「もやもや感」の解消だ。社内で同じポストに滞在する期間が長期化し、成長実感が不足するとともに、会社が提供する学ぶ機会が不足していることが、このもやもやの原因と考えられる。こうした漠然とした不安の解消のためにも、学習機会が求められるようになってきている。

前述したエン・ジャパン株式会社の調査に寄せられたフリーコメントからは、ミドルがリカレント教育で実現したいことが見て取れる。たとえば、「今後の世界、および仕事の不確実性が高まるなかで、自身の価値を高めることに役立つと考えます。(業務をより深く、より幅広く行うことにも役立つであろうし、その過程で得られる人脈も役立つと考えるため)」というコメントには、ミドルが将来の仕事における不安感を解消する目的で、リカレント教育を受けたいと思っていることがわかるだろう。

また、「人生100年時代。健康年齢のみならず社会貢献年齢の長寿化も実現する必要がある」といったように、長くやりがいのある仕事をしていきたいという思いが、ストレートに表れたコメントも見られた。

少子高齢化が進み、日本の人口構成グラフが「逆ピラミッド構造」となると、就労期間も延び、若手だけでなく、ミドル以降の人材育成が重要になってくる。そしてその自覚も、少なからず労働者側にあるようだ。「まなミドル」増加の動きは今後もますます加速するに違いない。各企業内においても、学びを後押しするような制度の整備や、経済的支援の拡充といった取り組みが一層必要となりそうだ。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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