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働く人の電話相談室「労働条件・待遇」に関する相談が昨年比2倍に増加

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 一般社団法人日本産業カウンセラー協会(以下、協会)は、毎年9月10日の「世界自殺予防デー」に合わせて開設している「働く人の電話相談室」での「労働条件・待遇」に関する相談の割合が昨年から2倍に増加したことを公表した。

 「働く人の電話相談室」は2007年からスタートし、今年が11回目。開設期間内の9月8〜10日の3日間で延べ539人から940件(※相談者からの主訴を最大3つまで選択する方式として集計)に及ぶ相談を受けたところ、相談内容の内訳は『職場の悩み』が最も多く366件(約38.9%)となった。
 こうした『職場の悩み』のうち「人間関係」の相談が最も多く166件(31.7%)。次いで76件(20.8%)が「労働条件・待遇」という結果であった。特に、「労働条件・待遇」は昨年まで上位だった「パワハラ」の相談を上回る結果となり、昨今の働き方改革を推奨する社会的風潮の影響も関係しているのではないかとレポートでは伝えている。
 一方、今年の「パワハラ」や「セクハラ」、その他のハラスメントに関する相談の割合は昨年と比して全体的にややポイントが下がっている。しかし協会は、この結果がハラスメント被害の減少を意味しているとは言えないとし、サービス残業や長時間労働を強いられたり、通常の休暇の取得を拒否されたり、不当な給与カットや賞与の不支給をされたりするなどの労働条件や待遇に関係したハラスメントや、職場内のグループから仲間外れにされたり、無視されたり、容姿や性別や年齢を蔑まれたりするなどの人間関係に関係したハラスメントの相談は依然として多いのが現状だ、と述べている。
 また、中には犯罪行為と判断される可能性の高い、暴力行為や不当な解雇なども含まれ、「自分自身で抱え込まずに身近な人や公的機関に相談するように」と勧めている。

 実際にこうした悩みを抱える相談者の約半数は身近な人に相談している。その相談先として選ぶのが公的機関、次いで家族や友人、医者や産業医が多いのに対し、上司や同僚などの仕事上の繋がりのある人はやや少ない。日常的に業務で接している上司・同僚には悩みを相談することが難しいケースがあることもレポートでは伝えている。

 また、今回の相談者数539人のうち約6割にあたる307人が女性で、40〜50代からの相談が多い。
 相談者の雇用形態別では、非正規労働者が133人(24.7%)に対し正規労働者が139人(25.8%)とわずかに上回っているのに対し、女性においては非正規労働者からの相談が95人と最も多く、正規社員は75人だった。年代別では70代以上の相談者数も年々増加しているとしており、シニア世代も労働をしなくてはならない厳しい社会情勢であると、協会は指摘する。

 働き方改革が本格的に広まっていく中で、自社の従業員のみならず、社会全体にどのような影響を与えていくか、今後の動向にも注目だ。


(文中画像出典:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「第11回「働く人の電話相談室」結果報告」2017年10月)

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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