経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

「人生100年時代」の到来に必要な人材採用の多元化と多様な形の高齢者雇用

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 安倍晋三政権の看板政策である「人づくり革命」のテーマのひとつとして、「人材採用の多元化、多様な形の高齢者雇用」が挙げられている。「人づくり革命」担当大臣を兼務する茂木経済再生担当大臣は、「潜在成長力が不足しており、人づくりの分野などで改革を進める」と発言し、採用の多元化や高齢者の雇用において企業の協力を求めている。少子高齢化が進む社会の下で、すでに働き方の多様化が始まっており、高齢者の雇用を含む人材力の強化は早急に取り組まなければならない課題となっている。

3ステージモデルからマルチステージへ

 「人づくり革命」の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」に有識者として招かれている、人的資源管理論の権威リンダ・グラットン氏は、2050年までに日本の100歳以上の人口は100万人を突破し、「100年以上生きる時代」が訪れると提唱している。また長寿化が進む社会では、過去のモデルは役に立たず、変化に対応できなければ長寿は厄災になってしまうとも述べている。

 グラットン氏によれば、これからの時代は、多くの人が今より長い年数働くようになることは間違いなく、時間の組み立てを変えなければ人は仕事に追いまくられ、疲弊してしまうという。そして、そのような不快な未来を避けるためには、これまでの、「教育→仕事→引退」という3ステージの生き方を捨てる必要があると主張している。人生を単純に3つのステージに分けるのではなく、大学を卒業した後も仕事を長期間中断して学び直したり、転身を重ねたりするマルチステージの人生を実践することが必要であるというのだ。常に時代に合わせた働き方ができるよう、生涯を通じて「変身」を続けることが、長寿を恩恵にする唯一の方法と提案しているのである。

3ステージモデルによる「一斉行進」の終わり

 マルチステージに人生を組み立て直すのは簡単なことではなく、一人ひとりが大きく変わる必要があり、企業などの雇用主や、社会・国家も大きく変わる必要があると、グラットン氏は述べている。
 ただ、変化のプロセスは既に始まっており、例えば終身雇用はもはや当たり前でなくなっている。まだ極わずかではあるが、3ステージとは異なる人生を実験し始めている人もいる。

 女性が仕事を持つようになったり、育児や介護と仕事を両立させる人が増えたりする中、「柔軟な働き方」を求める声も高まっており、実際に取り組んでいる企業も増えてきている。
 従来のように、「教育→仕事→引退」の順にステップを踏んで同世代の人たちが一斉行進し、入社したら引退するまで毎日、1日を会社で過ごす時代は終わるのである。

お気に入りに登録

関連ニュース

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら