経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

「評価システム」「研修・スキルアップ制度」改善が人材の定着度向上のカギ、調査から明らかに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「評価制度」「研修・スキルアップ制度」で従業員の満足度を上げる

 では、モチベーション向上・生産性向上に繋がる「評価制度システム」「研修・スキルアップ制度」にはどのようなものがあるのだろうか。

 90年代以降、日本にも成果主義が導入され始め、業績や目標達成によって報酬を決めていく仕組みが広がり始めた。いわゆる目標管理(MBO)を定めて達成度合いを計測する、業績・成果を上げるために必要な行動・取り組み(コンピテンシー)に関して評価を行うなどの方法が一般的となった。ただ、目標管理、コンピテンシーのいずれも指標を持ちにくい部門があったり、目標・指針に対する達成度が見えにくかったりと難しい面もあり、従業員が公平性を感じないケースがあってもおかしくない。
 また、欧米諸国を中心に年次単位での評価・ランク付けをやめていこうというノーレーティングという取り組みも登場し始めている。ある一定期間で目標設定し、その成果に対して評価をしていくというものではなく、常に上司は部下へとフィードバックを行い、コミュニケーションを図ることで常に評価を行うというものだ。これは、ビジネス環境が急速に加速化する中で、半年、1年という期間での目標設定・実行では現実に適さないという考えもあるようだ。

 評価制度自体は従業員全てを納得させるものにはなりえないのかもしれないが、基準を客観化・明確化していき、日常的に上司・部下が会話を交わしていくことは重要な要素であろう。上司が部下のプロセス・結果に対してしっかりとフィードバックしていくことで、部下は「自分に足りないもの」「自分の相対価値」を認識するものである。対話とフィードバックの繰り返しが、従業員からの高い納得性を得るカギではないだろうか。

 加えて、評価者に対して適切な評価ができるよう研修を行うことも必要になる。評価やコミュニケーションの手法を学ぶだけでなく、自分の偏った視点を発見して改善に導けるような研修が効果的だろう。

 研修・スキルアップ制度の具体的な実践例としては、ビジネススクールへの短期研修に注目が集まっている。近年では、社内にビジネススクールを開設している国内企業もあり、需要は大きいといえる。また、グローバル化に伴い、英語や中国語など外国語のスキルアップ研修に対する需要も高まっている。海外語学学校への短期留学などは、今後、ますます活発になるだろう。そのほか、若手起業家と交流できるフォーラムや、MBA(経営学修士)の学位を取れる国内外研究機関への留学制度など、次世代リーダーを育成する研修も人気を集めている。

 スキルの高い社員の定着は、会社にとって直接のプラスになる。そのためには、「評価システム」「研修・スキルアップ制度」を改善し、働き手のスキルアップと成果を十分に評価する仕組みを構築することが重要だ。企業における人事担当部門の積極的な取り組みが期待される。

お気に入りに登録

プロフィール

 経営プロ編集部

経営プロ編集部

経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

関連ニュース

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら