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女性の「長く働きたい!」をかなえる職場づくり(前編)

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 中原准教授とトーマツ イノベーション株式会社による「女性の働くを科学する」プロジェクトの教育プログラムの第1回として、「【管理職向け】女性が長く働き続けられる職場づくり」が、2017年6月23日(金)トーマツ イノベーション セミナールーム(東京都・有楽町)にて開催された。
 「女性活躍」に関する多くの研修や講演は、「特に目立った活躍をしている、いわゆる“すごい人”の過去の成功体験を聞き、そこからヒントを得る」というケースが多い。そうした研修などには学びを得られる側面もある一方、講演者の主観によるところが大きくなるデメリットもある。これに対して同プロジェクトの教育プログラムは、働く女性の実態について、科学的・客観的にアプローチしている点がポイントである。
 今回のセミナーのねらいは、「働く女性が実際にどんな意識を持っているのか」「働く女性がどういう環境に置かれているのか」を調査結果から客観的に理解し、今後職場をつくっていくうえで気をつけたいことについて意識を高めていくことだ。セミナーは講師による講演に、参加者による討論を交えて進められた。以下でその様子をレポートする。

近年の社会動向と組織の実態~中堅中小企業は女性従業員比率が高い

 冒頭、講師のトーマツ イノベーション株式会社 人材戦略コンサルティング第一事業部 CS企画グループ シニアマネージャー 田中敏志氏から、簡単な自己紹介と挨拶があった。田中氏は日々のコンサルティング業務で、クライアントから、ワーキングマザーなどの働く女性に対する取り組みや「働き方改革」について相談されることが多いという。
 厚生労働省のデータによると、平均勤続年数はおよそ男性13年である一方、女性は9年とやや短い。「今後労働人口が減っていくなかで、女性を含めた全員が長く活躍できる職場をつくれるかどうかが、会社にとって大きなテーマになるだろう」と田中氏は述べた。

 まず、データから、働く女性に関する社会動向を確認する。着眼点の1つ目は、女性が働く比率が向上していることである。昭和50年前後には、20代後半~30代前半の女性の労働力率は半分を切っていた。いわゆる「M字カーブ」と呼ばれる現象である。それが最近では、若干M字傾向が残るものの、同年代における労働力率は7~8割となっている。
 着眼点の2つ目は、女性活躍推進法の制定である。国として女性活躍を推進する法律で、特に301名以上の会社は、女性活躍推進に取り組まなければいけない義務が発生した。

 このように働く女性は増えており、今後も増えていくことが予想される。働く女性が増えていることには、2つの要因があるという。

 要因1つ目は、経済的・社会的な「自立」だ。あるデータによると、自分自身で選択肢を持つことをより高く望んでいる女性が増えているそうだ。2つ目は「経済的な要因」である。以前は「男性が働き、女性が専業主婦をしている」という比率は42%程度だったのが、1997年をピークに平均給与水準が下がってきたことから、世帯主1人が稼いで家族を養うという形では経済的に厳しくなってきたのが現状だ。そこで、家庭における共働きとして、働く女性が増えていっているという流れである。

 ここで1回目の討論が行われた。参加者自身の組織の状況を10年スパンで振り返り、10年前から今までにおける女性従業員の数や比率の増減と、今後10年で増えていきそうか、あるいは減りそうかについて、職種や階層、役職、地域ごとに考えて、5人のグループで意見を交わした。
 多くの組織において、「女性が増えている」「今後も増えそうだ」という意見が多かった印象である。

 次に、女性従業員比率の実態について紹介があった。大企業よりも中堅中小企業のほうが女性従業員比率が高いのが現状である。これは、特に新卒採用で優秀な人材を確保しようとした際、有名企業や大企業で理系・男性を技術職として採用するために、中堅中小企業の採用市場に優秀な女性が「降りてくる」ためだという。したがって、「中堅中小企業こそ、優秀な人に活躍してもらおうと考えるのであれば、女性が長く活躍できる状況を作ることが必要」であると田中氏は述べた。

 ここで2回目の討論が行われた。実際に働いている女性はどのような状況に置かれ、どういった意識を持っているのかについて、クイズ形式で各自回答し、その回答をグループで共有する。クイズ項目は以下のとおりである。

1. 女性は「長く働き続けたい」とどのくらい思っているか。それは男性と比べてどうか。
2. 女性が働くうえで重視しているものは何か。大変だけどやりがいのある仕事と、粛々とこなす仕事、どっちを志向している人が多いのか。
3. 優遇されていると女性が思っている性別はどっちか。
4. 上を目指す意欲(昇進意欲)がある女性は多いのか。

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