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週休3日制の導入で変わる働き方~導入企業の実態とその課題

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週休3日制導入のメリットと課題

 週休3日制には、長時間労働の是正、ワークライフバランスの推進、プライベートの充実による仕事のモチベーション向上、そして生産性を向上させる契機となるなど、多くのメリットが考えられる。しかし、一方で解決しなくてはならない課題があることも事実だ。

 そもそも、週休3日制導入の前に、完全週休2日制、あるいは週休2日制さえままならない業種が今もあることを認識しておきたい。
 厚生労働省の平成27年データでは、「完全週休 2日制」より休日日数が実質的に多い制度を取っている企業はわずか8%とまだまだ少ない。「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は 85.2%あるが、「完全週休2日制」を採用している企業割合となると、50.7%に留まっている。
 「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」などでは、「何らかの週休2日制」を採用している企業が8割を切るのに対し、情報通信業は「何らかの週休2日制」が93.3%、完全週休2日制が87.5%もあり、業態によってかなりの隔たりがあることがわかる。
 こうした現状を踏まえ、特定の業種に対して週休3日制の前に、週休2日制の導入率や週休日数を向上させる働きかけも必要である。

 また、週休3日制に限ったことではないが、労働時間減少によって生じる弊害も見逃すことはできない。
 労働時間が減ることで、従業員の給与減少につながるケースも想定される。先日、味の素が2017年4月から月額給与を1万円ベースアップすると発表したが、労働時間の短縮を起因とした給与減少を補填する意味合いもあるという。この範囲はパート従業員も対象となっており、従業員の収入減少に陥らないよう先回りした対策といえる。
 そのほか、法人対応が必要な業態では、ウィークデイの休暇が顧客対応力の低下を招いてしまうといった問題や、残った業務を自宅で行う、いわゆる「持ち帰り残業」など課題は少なくない。
 店舗業務など、業務効率化だけではまかないきれない業種では、その人材確保が大きな課題となる。外国人労働者やシニア層といった採用活動とあわせて検討していきたい。

 これらの課題を踏まえて、生産性の向上に努め、担当業務の見直しを行うなど、週休3日制が労働環境を急激に変化させて歪みが生じないよう、導入企業では慎重な制度設計が望まれている。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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