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リクルート流の在宅勤務、果たして広がるか?

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社員はみんな会社に通勤して自分のデスクで仕事をするというのが、これまでの“当たり前”の働き方。でも、いまはネット環境さえあれば、どこにいても仕事ができる時代だ。「毎日会社に通わなくてもいいじゃない」、「自宅で仕事ができたらいいのに」と思っているビジネスパーソンは、実はかなり多いのではないだろうか。

国の後押しもあり、新しい働き方として、最近、広がり始めているのが在宅勤務。総務省では、在宅勤務やモバイルワークなど、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を「テレワーク」として積極的に推進している。その大きな狙いは、少子高齢化が進む中、在宅勤務を普及させることで女性やシニアの就業機会を増やし、労働力人口の減少をカバーしようということ。柔軟な働き方が普及すれば雇用の拡大や多様な人材の能力活用につながるとあって、テレワークはアベノミクスの成長戦略にも盛り込まれている。
在宅勤務制度を導入する企業が増えている中でも、いま、話題を集めているのが、リクルートホールディングスが10月から全社員対象の在宅勤務制度をスタートさせるというニュース。日本経済新聞の報道によると、同社が導入する制度は、子育てや介護といった理由がなくても全社員が利用でき、利用できる日数の上限もないという画期的なもの。6月から約140人を対象として試験的に導入したところ、4割以上に労働時間が減る効果が出たことから全社導入されたという。
従来型の在宅勤務制度は、小さい子供のいる社員などに対象を限定したり、日数も1カ月に何日までと上限を設けたりすることが一般的。どちらかというと、子育てや介護を念頭に置いた福利厚生の意味合いが強いが、今後は、生産性を高め、業績を向上させる在宅勤務制度の導入がトレンドになっていくかもしれない。リクルートホールディングスでは、10 月からは毎日出勤する社員が減るため、本社のオフィス面積を減らすことも検討するという。オフィスの維持費を減らせるメリットは大きいはずだ。こうした在宅勤務が実現すれば、会社も社員も得になる。求職者からの人気も高まるに違いない。
ただ、一方で、在宅勤務の先進国アメリカでは、2013 年、ヤフーの新しいCEOに就任したメリッサ・マイヤー氏が社員に「毎日、オフィスで働くように」と求め、在宅勤務制度を取りやめている。業績に悪影響があると判断したためだろう。在宅勤務制度が経営面でプラスに働くかどうかは、企業によって違うということだ。
企業にとって在宅勤務の問題は、セキュリティ管理や「さぼり」の防止、成果による評価、また、オフィス勤務者が不公平感を持たないような配慮などのマネジメントをきちんとできるかといったこと。こうしたことをクリアできないと、確かに、経営へのマイナスの影響は大きいと考えられる。在宅勤務制度の導入を考える企業は、これらにしっかり対処することがまずは大切で、さらに、業績向上に向けた攻めの在宅勤務制度として活用することを考えると良いのではないだろうか。
日本の企業の間で在宅勤務制度が本格的に導入されていくかどうかは、この働き方がどれだけ生産性を高めるかにかかっている。リクルートホールディングスの取り組みが無謀なチャレンジか、素晴らしい先進事例になるか、注目したい。

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