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DX推進において部門連携不足が業績低下につながるか。アクセンチュアが最新の調査結果を公開

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アクセンチュア株式会社は2020年7月3日(ニューヨーク発:同年6月17日)、2020年1月~2月におこなわれた、データやデジタルを活用した変革(以下DX)に取り組む世界11ヵ国の企業経営幹部1,550名への調査結果をもとに「デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果」のレポートを発表した。これにより、企業のDX推進における課題が明らかになった。

部門間の連携や協力不足によるコスト増大が課題

アクセンチュアが実施した本調査は、新型コロナウイルス感染症の影響が全世界に拡大する前に実施された。しかし調査報告では、パンデミックなどの危機や、経済衰退による状況や問題点を指摘するとともに、「Never Normal(全く新しい日常)」の状況下で企業が取るべき対応を講じている。

本調査によると、DX化に取り組む企業は、部門調整によって生まれる無駄なコストの増大が元で、収益の低下につながっている。実際に日本企業の72%(グローバル全体で75%)が、「デジタル変革において、事業部門同士が協力し合うよりも、競い合うことが多い」と回答しており、「部門内のニーズを優先して部門間の連携が阻害される」などの状況が発生しているという。

また、2017年から2019年にかけては、企業がDXへの投資を増やしたことにより、日本企業のコストは5.4%(グローバル全体で約6%)が上昇した。しかし、調査では、日本企業の72%(グローバル全体で64%)が「デジタル関連の投資が企業の収益を引き上げることはない」と回答。日本企業では、DXへの投資により年間収益が13.2%(グローバル全体で11.3%)増加すると予想をしていたが、実際の増加は平均5.3%(グローバル全体で6%)と、予測増益の半分以下となっている。コストに対して利益が上がらない状態について、同社のシニア・マネジング・ディレクター、レイチェル・バーテルズ氏は、部門間が孤立した「サイロ化組織」はイノベーションを阻害するリスクを持つとして、組織全体また事業部門間の協働が不可欠としている。

「チャンピオン企業」ではDX化に向け、部門枠を越えて投資

今回の調査では、部門枠を超えたコラボレーションに成功し、一定の収益増を達成した企業を「チャンピオン企業」(日本企業では13%、グローバルでは22%)と定義し、その特長を分析。その結果、チャンピオン企業では、DXによる価値を得るため、事業部間の連携に尽力していることが明らかとなった。

また、2017年~2019年に事業部門のデジタル変革を推進した企業の収益を分析。するとチャンピオン企業は、その他企業と比較して大幅な業績の向上が見られた。日本のチャンピオン企業のDXによる収益は27.7%増と、その他企業の11%と比較して2倍以上だ。

さらに、日本のチャンピオン企業は、その他企業と比べDXに向けて約1.6倍の投資をおこなっており、EBIT(支払金利前税引前利益)も19.8%増加。その他企業のEBITは7.3%となっており、およそ2.7倍の収益を得ていることが判明した。

新型コロナのパンデミック後も、平均物価指数をもとに分析したところ、チャンピオン企業ではその他企業に比べ、損失の抑制に成功していた。チャンピオン企業は経済の悪化に関わらず競争力を高め続けるため、その他企業とは異なるアプローチをしているとのことだ。
「チャンピオン企業」ではDX化に向け、部門枠を越えて投資

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