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産業医の勧告権を、働き方改革に活かすポイントとは?

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平成31年4月からの働き方改革に伴い、産業医機能が強化されました。その目玉の一つが、産業医の勧告権の強化です。今回は、この勧告権の権限、および事業者の義務について、具体的に解説していきます。合わせて、それとともに心配される産業医による勧告「乱発」被害と、その対策についても触れていきます。

産業医の最強の持ち札である勧告権

産業医は職場の安全面や衛生面で、労働者に重大な危険が迫っているときや重大な法令違反があるとき、事業者に勧告をすることができます(労働安全衛生法13条)。


この勧告権が今回の法令改正でクローズアップされ、より厳しい基準が規定されています。具体的には、下記のような例が挙げられます。


(1)繰り返し指導を行ったにも関わらず、上司のパワハラでうつ病を発症した人が続出したり、長時間労働が続いたりしており、改善されない場合

(2)有害物に対して法令に定められた環境測定や排気装置設置などをしない場合

(3)事業領域が赤字で人を増やせないため、メンタルヘルスの問題が続出しており、人員の増加や事業の縮小などの経営判断が迫られる場合

このような時には、産業医は手持ちの最強の札、勧告権を切ることになります。これは文書によってなされ、事業者にはそれを尊重する義務があります。そして事業者は、それにどのように対応したか、対応しなかったとしたらその理由まで含めて衛生委員会に文書にて報告するとともに、結果を3年間保管する義務があります。

ただし、産業医は、勧告する前に事業者の意見を聞くことも義務化されています。そこでの十分な情報交換が、産業医、事業者双方にとって大変重要となります。

勧告を出すのは産業医が持っている権利、その措置は事業者の権利ですが、もし、事業者が産業医の勧告を無視して事故などが生じた場合には、訴訟にて莫大な損害を被る可能性が大きいでしょう。

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