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いまこそ、IT活用で攻めの経営へ

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いまどき、企業にとってITは「活用しているのが当たり前」。でも、ちょっと待ってほしい。そのIT活用は経営戦略と結びついて「稼ぐ力」を強めるものになっているだろうか? 実は、日本企業ではコスト削減のための「守り」のIT活用は進んできたものの、生産性や収益力向上のための「攻め」のIT活用はなかなか進まず、欧米企業に比べて遅れているといわれている。

そこで、最近、国が積極的に打ち出しているのが、企業の戦略的IT活用を促す支援策。経済産業省は、東京証券取引所と共同で「攻めのIT経営銘柄」を選定し、5月26日に公表した。攻めのIT経営とは、IT活用によって製品やサービスの開発の強化、ビジネスモデルの変革を実現し、競争力の強化を目指す経営のこと。今回選定されたのは、積水ハウス、アサヒグループホールディングス、東レ、日産自動車、東日本旅客鉄道、三井物産、東京海上ホールディングスなどの18社だが、18社の投資パフォーマンスは日経平均銘柄の1.2倍の好成績だという。

攻めのIT活用で稼ぐ力を強めている企業とは、いったいどんな企業なのだろう。経済産業省では「攻めのIT経営銘柄」の選定にあたって上場企業を対象にアンケート調査を行ったが、回答を分析した結果、ROE(自己資本利益率)が8%を上回る企業でのIT活用の取り組み状況には、共通する特徴が見られたという。

中でも興味深いのは、高ROE企業では経営トップがIT活用に自らコミットメントしているということ。「経営トップは社内でITについて最も関心と知見のある者の一人」だという企業は、ROE8%未満の企業では21.0%だが、ROE8%以上の企業では42.3%に達している。また、ITを活用した事業革新のため、事業部門に新たにIT人材を配置するなど対応を行った企業は、前者が27.7%だが、後者は42.9%。「ITのことは現場から離れたIT部門が勝手にやっている」というのではなく、ビジネスの現場にIT人材を入れ、ITでビジネスプロセスをどんどん変えていける体制を整えた方がいいということだろう。

国では、こうした攻めのIT経営推進について、中小企業に対しても積極的に支援。平成19年度から「中小企業IT経営力大賞」を実施し、表彰された企業の取り組み事例をポータルサイトで紹介しているので、中小企業が「うちもIT経営に取り組もうか」と考える場合は参考になりそうだ。

とはいえ、これまで日本企業で「攻め」のIT活用があまり進んでこなかったのは、経営者の問題が大きいといわれていることも事実。「経営者のITリテラシーが不足している」、「経営者がITに対して嫌悪感を抱いている」といった理由から、戦略的なIT投資ができていない企業は決して少なくないようだ。

だが、いまや「情報」は経営のために必要な「ヒト、モノ、カネ」と並ぶ4つ目の資源。情報をいかに使いこなすかが経営の意思決定の早さにつながり、競争力に直結する時代になってきている。そして、なんといっても、IT経営で成功するために欠かせないのは経営トップの積極的な関与だ。もしも経営トップにITに関するリテラシー不足や食わず嫌いがあるなら、それを乗り越え、自社に必要なIT戦略を検討してみてはどうだろうか。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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