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助成金の落とし穴(中)

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前回は、厚生労働省が所管する助成金制度について、助成金とは何か、助成金の位置づけを確認した上で、トラブルに巻き込まれる発端となる悪質なファックスDMやメールの一例を紹介した。今回も引き続き、トラブル事例を紹介しつつ、助成金の落とし穴を確認していきたい。

落とし穴<1>

前回の内容を踏まえ、助成金を受給するためのハードルは高そうだと感じた方が多いだろう。実際、その通りである。しかし悪質な助成金コンサルタントや会社の手口は、その高いハードルを満たせるよう、書類作成等のサポートをします、と触れ込む。そしてこの対価として助成金予定受給額の3~4割程度を前払いで請求する。また別途、月々のコンサル料を請求することもある。

しかし、お金を支払ったものの、いたずらに月日だけが過ぎ、一向に申請手続きまで漕ぎつけず、ある日突然、連絡がつかなくなる。もちろん、助成金は受給できないケースだ。これが一つ目の助成金の落とし穴である。

落とし穴<2>

次に紹介するのは、経営者や人事労務担当者がよくわからないまま、コンサルタントが作成した書類に会社の印を押してしまったケースである。言われるがまま記入・押印したら、勝手に就業規則が書き換えられており、会社が承知していない制度が条項に追加され、効力が生じていたというものだ。

就業規則の変更には、過半数代表者等の意見を聴かねばならず、この辺りをどのように進めたのか疑問が残るものの、よくわからない書類に判を押してしまう経営者側の落ち度は否めない。とはいえ、どのような書類か、その先に会社側にどのような負担が生じるのか、注意点等々の説明がないまま事を進めることは、やはり質が悪いと言っていいだろう。

最終的にこのケースも、着手から数ヶ月が経ち、対象となる社員が辞めてしまったため、助成金を受け取ることができなかった。着手金の一部は返還されたものの、会社側が理解できていない新たな制度だけが就業規則に残る結果となった。

助成金を受給できなかったという理由で、就業規則を再度変更することはできない。その変更が労働者の不利益変更にあたるのであればなおさらである。これが二つ目の助成金の落とし穴だ。

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