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助成金の落とし穴(上)

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厚生労働省が所管する制度の一つである「助成金(本稿では厚生労働省の助成金のみを対象とする)」という言葉を一度は耳にしたことがあるだろう。皆さんの会社でも、助成金コンサルタントと名乗る人物、あるいは研修会社等から、「助成金を貰いませんか?」または「返済不要!もらわなきゃ損!!」という甘い営業トークで攻勢をかけられたことがあるハズだ。今回から、実際にあったトラブル事例を参照しながら、助成金の落とし穴について、三部構成で考えてみたい。

助成金とは何か

ご存知の方も多いかもしれないが、あらかじめ簡単に触れておくことにしよう。

助成金の財源は、雇用保険料のうち、全額使用者が負担している雇用二事業部分で賄われている。一般企業の場合、社員一人当たり0.003%の負担である。月給30万円の社員であれば900円を負担している計算だ。

このように、社員の失業保険に充てる財源とは別に、全国の雇用保険に加入している会社が負担する部分を雇用二事業と呼ぶ。この事業の一環として、助成金制度が成り立っている。

ただ一口に助成金といっても、その内容は実に様々である。また、その時の国や行政の政策に左右されるため、前年度に存在していた助成金が今年度には消えているということもある。

助成金の位置づけ

さて、なぜ助成金制度が存在するのかを確認しておきたい。

助成金の位置づけとしては、国が企業に法律として義務付ける前に、これに先駆けて対応した場合、その見返りとして、かかった経費の一部を助成金という形で支給されるもの、というのが一般的である。

一例としてわかりやすいのが、定年絡みの助成金だ。定年を設定する場合、60歳を下回ることは許されない(高年齢者雇用安定法)が、定年年齢を65歳以上に引き上げた場合、10万円~160万円(会社における60歳以上の雇用保険被保険者数と定年の引き上げ年齢により異なる)が受給できる。

すなわち、法令で義務付けられた対応を企業がとることは当然のことで、法令を上回る労働条件等(給与アップ・研修制度の充実・人事評価制度の導入等)の向上を実現した企業が対象となる。国の狙いは、助成金を支給することによって、これらの普及を促進することである。

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